【ソフトバンク】ルーキー広瀬隆太「練習の成果出た」プロ初猛打賞も「彼らしい悪球打ち」監督
<オリックス2-7ソフトバンク>◇25日◇京セラドーム大阪 パ・リーグ首位独走中のソフトバンクには、ノリノリなルーキーがいる。 ドラフト3位の広瀬隆太内野手(23)が敵地オリックス戦でプロ初の猛打賞。2長打1打点で11安打7得点の快勝を呼んだ。二塁守備では6回に華麗なグラブトスを披露。フレッシュな23歳が2位ロッテと今季最大11ゲーム差、同最多貯金25の1人旅に貢献した。 ◇ ◇ ◇ 広瀬は意気揚々とバットを振っていた。「あれがなかったら多分4タコです」と振り返るのは、3回の第1打席だ。1死から三塁線に高いバウンドの打球を放ち、宗のグラブをはじいた。「すごくラッキーなヒット」と謙遜したが二塁打でチャンスメーク。直後の佐藤直の中前打で決勝のホームを踏んだ。「そこから流れに乗って3安打打てたので。今日はいい日になりました」と白い歯を見せた。 5回は右前打。8回1死二塁では、本田のボール気味の直球を中越えに運び、適時打を放った。得意の悪球打ちでプロ初の猛打賞。広瀬は「高めの真っすぐを打つ練習をしてるので、練習の成果が出ました」と腕を組んだ。“らしさ”全開の快音に小久保監督も「最後の打席は彼らしい悪球打ち。あんな球、普通はセンターオーバーに打てないんですけどね」とうなずいた。 6月4日のプロ初安打まで17打席かかった。1軍の壁に苦しむ間に主砲柳田が離脱。小久保監督から「開き直りと投げやりをはき違えるな」と訓示を受け、広瀬は「今は打ててないですけど、僕は開き直っていこうと思います」と誓った。クールな印象もある慶応ボーイ。しかし指揮官が「ガツガツやっとる。ひとりだけ違う」と目の色に感心するほどだ。プロ初安打の打席からは46打数16安打で打率3割4分8厘。小久保監督の言葉を忠実に守ったルーキーが奮闘している。 6回の二塁守備では、茶野の中前に抜けそうな当たりを逆シングルでつかみ、二塁ベースカバーに入った今宮にグラブトス。アウトをもぎとった。「もうちょっと大事にいけば良かったと反省しています」と苦笑するが、無安打投球を続けていた先発有原をもり立てる美技だった。 ファームでは右脇腹を痛めていた牧原大が実戦復帰した。同じ二塁手の広瀬は「牧原さんが1軍に上がってきてからが本当の勝負だと思う。すごくいいモチベーションをいただいています」と話す。2位チームと11ゲーム差は今季最大。貯金も25と最多を更新しているホークスには、フレッシュな23歳がいる。【只松憲】