「言動でしっかりと信頼を少しずつ取り戻す」「一方通行にならないように」アビスパ福岡・金明輝新監督の会見一問一答
J1アビスパ福岡の金明輝新監督(43)が16日、福岡市内で就任会見に臨んだ。隣接するサガン鳥栖の監督だった2021年に起こしたパワーハラスメント問題を受け、就任に対する疑問や批判の声などが相次いだ中での会見は約1時間20分に及んだ。金氏の会見での主な一問一答は次の通り。 ■福岡に味噌ラーメン店、金森が〝二刀流〟オープン【写真】 ―オファーを受けた率直な気持ちを。 「当然驚いたという気持ちと同時にうれしく思う気持ち。長くライバルクラブ(鳥栖)で指揮をし、アビスパ福岡との対戦もたくさんしてきた。ただ、やっぱりこの数年でアビスパが築き上げたクラブとしての立ち位置、実績、ブランド力、さまざまなものが以前とはすごく変わってきている印象も正直受けていた」 ―パワハラ認定後、研修や社会奉仕活動を受けて復帰。責任のある立場に臨む覚悟は。 「当然、いろんな人の見解があるのも重々承知している。しっかり真摯(しんし)に受け止めて、これからの言動でしっかりと信頼を少しずつ取り戻して築いていかなければいけない」 ―指導スタンスに変化は。 「基本的にはサッカーに対する情熱、強い責任と覚悟を持って取り組んできた信念は持っている。ただ、勝利至上主義というか、勝つことへの執着が強すぎるあまり、自分を見失ってしまっていた部分も正直あった。この3年間、さまざまな学びや取り組みで、特別スタイルを変えたものではないが、細かな気づかいだったり、選手への配慮だったり、そういったものを大事にしないとチームとして強固な組織がつくれないのではないかと考えている」 ―どんな特徴のあるサッカーを。 「基本的にはアビスパが近年築いてきた強固な守備はしっかりと保つ。ご存じの通り、得点力はJ1で一番少なかったと認識している。その部分をしっかりと引き上げ、攻守両面でバランスよく戦う。リアクションではなく守備でも攻撃でも自分たちから行動を起こしていくサッカーを目指したい」 ―いろんな形の再生の仕方はある。サッカー界でもう一回やると考えた理由は。 「過去は変えられない思いは自分の中で今もあるし、被害を受けた人たちがいるのも重々承知はしている。一方で、やはり僕にはサッカーしか生きる意欲がなかったのも本音。サッカーを離れ、あらゆることをこなす中で、やはりもう一度サッカーの指導者としてやってみたい思いが再燃した」 ―細やかな配慮が一体感に不可欠と。具体的には。 「試合に出ていると出ていない選手では、思惑が変わってきたりもする。そういった選手が他方向へ向かないように、適切なタイミングでの声かけも必要。勝敗を分ける際へのこだわりはしっかりと持ちつつ、一方通行にならないように。選手たちの息づかい、呼吸、温度感をしっかりと見定めながらアプローチをしていけたら」 ▼▼注目選手の去就は?今オフの契約状況【一覧】▼▼
西日本新聞社