多汗症の治し方を医師が解説 主な治療「薬物療法・ボトックス注射・手術療法」とは?
小さい頃から汗をかきやすいという人は「多汗症」という病気の可能性があるそうです。そんな多汗症の治し方や主な治療について、医師の山本英博先生(山本英博クリニック院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
汗をかきやすい多汗症の症状・原因とは? 手・脇・顔面の汗が止まらないのは多汗症なの?
編集部: 汗をかきやすい人は「多汗症」なのですか? 山本先生: 一概にそうとは言えません。汗をかきやすい人の中でも、「子どもの頃から」「特定の部位に汗をかく」など一定の条件を満たしている人は多汗症の可能性があります。 編集部: 多汗症の人にはほかにどんな特徴がありますか? 山本先生: 以下のチェックリストのうち、2項目以上に当てはまる人は、多汗症の可能性が高いと思われます。 (1)最初に症状が出たのが25歳以下 (2)左右対称性で発汗が見られる (3)睡眠時は発汗が止まっている (4)1週間に1回以上多汗のエピソードがある (5)家族歴がみられる (6)多汗によって日常生活に支障が出ている 編集部: 「多汗によって日常生活に支障が出ている」というのは、具体的にどんなことが挙げられますか? 山本先生: 具体的には、学生時代に学校ではノートやテスト用紙が汗で破れ、書字ができなかったり、体育の授業で手汗のために鉄棒・球技が難しくなったりしたという経験などです。 さらに、社会人になっても、握手やパソコンのキーボードの扱い・紙幣やレシートの受け渡しなどで不便を伴った経験などがあります。 編集部: では、多汗症の原因はなんですか? 山本先生: 手のひらや顔面、頭部・脇の下・足の裏からの汗は、自律神経の一つである「交感神経」の活動によって誘導されます。なかでも、発汗の中心的な役割をはたすのは「交感神経節」の機能と言われています。 例えば、手のひらの局所多汗症は、頚部から第六肋骨までの胸部交感神経節の働きが通常より強いため、手のひらの発汗が多くなっていると考えられています。