パートより時給が高いので派遣で働いたほうがよいですか? なにか困ることってありますか?
派遣社員というと、パートタイマーよりも時給が高く、シフトもたくさん入れられてしっかり稼げそうなイメージがある人も多いでしょう。しかし、派遣社員はパートタイマーのような直接雇用の従業員とは適用されるルールが異なるため、仕組みを理解していないと思わぬデメリットに直面する可能性があります。 そこで本記事では、派遣社員のデメリットになり得る点や、パートタイマーと比べたメリットを分かりやすくまとめました。自分にはどちらの働き方が合っているのか、よく検討しましょう。
派遣社員にもデメリットはある
派遣社員にはパートタイマーとは異なるルールが適用されるため、人によっては煩わしさや働きづらさを感じる可能性があります。デメリットになり得る主なポイントは、以下のような点です。 ・契約期間が短い ・賞与は基本的に支給されない ・交通費の支給がない場合がある ・実質的な業務管理者が雇用主と就業先の2ヶ所になる ・柔軟に休みを取りにくい 以下で、それぞれについて解説します。 ■契約期間が短い 直接雇用を前提とした紹介予定派遣を除き、派遣社員は3ヶ月、6ヶ月などの短期間の契約を結び、契約期間満了時には派遣先と本人の合意により契約更新または終了が決まるのが一般的です。派遣先の意向により短期間で職場を変わらなければならないこともあり、雇用は不安定だといえます。 また、同一の職場での契約更新は最長3年までと決められているため、一つの職場でキャリアを重ねる働き方は望みづらいというデメリットもあります。 ■賞与は基本的に支給されない 多くの場合、派遣社員には賞与が支給されません。なぜなら、派遣社員の時給には賞与の分も組み込まれているためです。そのため、収入をトータルで見ると正社員と比べて著しく低いわけではなくても、特別に賞与が支給されないことでなんとなく損をしているように感じられる場合があります。 ■交通費の支給がない場合がある 2020年4月より「同一労働同一賃金」が導入されたことから、派遣社員にも正社員と同じように交通費を支給するケースが増えました。しかし、派遣会社によっては、交通費分を含めた時給を設定し、別途支給しないケースもあるため注意が必要です。 ■実質的な業務管理者が雇用主と就業先の2ヶ所になる 派遣社員は、実質の業務管理者が派遣会社と派遣先企業の2ヶ所になります。基本的には、給与の支払いや福利厚生は派遣会社、業務指示や勤怠管理は派遣先というふうに役割分担がされているため、働くうえで困ることはあまりありません。 しかし、派遣会社と派遣先企業の認識や指示内容に食い違いなどが生じると、派遣社員は板挟みになってしまい業務に混乱をきたす場合があります。 ■柔軟に休みを取りにくい 職場にもよりますが、派遣社員はフルタイムなど勤務時間の拘束が強い傾向にあります。そのため、もともと子育て中などの事情を加味して雇用され、シフトの融通が利きやすいパートタイマーと比べると、休み取得の柔軟性が制限されるケースがあります。 また、急な休みの取得が評価を下げる原因となる場合もあるため注意が必要です。