ビットコイン、7万7000ドル突破──資金調達率はさらなる上昇を示す
暗号資産(仮想通貨)市場は、トランプ氏が米大統領に当選した後、次々と新たなマイルストーンを達成している。米時間8日、ビットコイン(BTC)は史上初めて7万7000ドルを突破し、FRB(米連邦準備制度理事会)の金利引き下げを受けて、出遅れていた一部のアルトコインも上昇した。 ビットコインは、CoinDesk Bitcoin Index(XBX)によると、米国の取引時間中に7万7105ドルの新たな史上最高値を記録した。ただし、24時間では0.2%の上昇にとどまっている(日本時間9日8時30分時点では、やや値を戻し7万6450ドル付近)。市場ベンチマークのCoinDesk 20 Index(CD20)は、カルダノ(ADA)やポリゴン(POL)が15%急騰するなど、CD20を上回るパフォーマンスとなった。 イーサリアム(ETH)は3%上昇し、3000ドルに迫る勢いを見せ、3カ月以上ぶりの高値となった。DeFi(分散型金融)セクターが勢いを増していることが背景にある。DeFiは、米国でのより寛容な暗号資産規制から最も恩恵を受ける可能性が高い。寛容な規制は、暗号資産関係者がトランプ氏率いる新政権に期待していることだ。イーサリアムiの最大のライバルとされるレイヤー1ブロックチェーンのソラナ(SOL)は、4月以来初めて200ドルを突破した。 伝統的市場に目を向けると、トランプ氏の決定的な勝利を受けて株式市場が活況を呈するなか、S&P500は史上初めて6000の大台を突破した。
資金調達率はさらなる上昇を示唆
暗号資産は今週、2桁%の上昇となり、ビットコインは史上最高値を更新したが、暗号資産通貨取引所における永久スワップの資金調達率は、3月初めの高水準レベルではなく、中立的なレベルにかなり近づいていることをCoinGlassのデータは示している。資金調達率とは、ロングトレーダーがショートトレーダーに支払う金額を指す。資金調達率がマイナスになると、ショートトレーダーはロングトレーダーに手数料を支払うことになり、これは弱気相場でしばしば見られる。 「資金調達率に市場の過熱を示す兆候は見られない」と、ファンドストラット(Fundstrat)のデジタル資産戦略責任者ショーン・ファレル(Sean Farrell)氏は指摘した。 過熱の兆候が弱いことは、暗号資産価格がさらに上昇する余地が大きいことを示しており、ある市場参加者はビットコインは12万5000ドルまで上昇する可能性があると見ている。 「我々は強気相場の7回裏を迎えている」、つまり上昇の後半3分の1の始まりだとデジタル資産投資会社ブロックタワー(BlockTower)の創業者で最高投資責任者(CIO)のアリ・ポール(Ari Paul)氏はXに投稿した。 同氏は、最近の買い手は個人投資家よりも主に機関投資家が牽引する6~12カ月の上昇に備えているようだと述べ、目標価格へのより緩やかな上昇を示唆した。上昇が進むにつれて、個人投資家の関心もレバレッジとともに高まるだろう。今後数カ月の戦略として、いくつかの厳選した暗号資産の買い持ちを推奨し、強気相場の最終段階では積極的な取引が一層の利益を生む可能性が高いと述べた。 「この局面、7回裏では9~12万5000ドルに達するだろう。その後、あと2回残っているが、通常、最終回は最も放物線的な上昇となる」とポール氏は述べた。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:CoinDesk|原文:Bitcoin Hits Another Milestone, Topping $77K for First Time; Funding Rates Suggest Crypto Rally Can Keep Going
CoinDesk Japan 編集部