低迷する中国経済は「日本のバブル崩壊後を再現」
■中国では日本のバブル崩壊を昔から研究?
危機的状況にある中国だが、日本のバブル崩壊についてはこれまでにも研究を進めてきたようだ。「僕が中国に住んでいた頃、書店に行くと日本のバブル崩壊の本とソ連崩壊の方がよく並んでいた。民間の店にこれだけあるということは、おそらく中国の中枢ではさらに研究が進んでいるだろう。『他山の石』ではないが『日本とソ連の失敗に学ぼう』という気持ちは強く、上海の株暴落など直近20年間で何度か訪れた経済危機も持ちこたえられた一因には、日本の失敗から学び、経済をコントロールする術を学習したこともあるのでは」と分析した。 習近平主席はこの経済の危機をどう乗り越えるのだろうか? 長岡市は「習近平氏は社会主義的な価値観を非常に好んでいる。文化大革命の世代であり、『資本主義は汚れ、腐敗している。だから中国をクリーンな社会主義国家に戻すんだ』という考え方の持ち主。『格差を認めて、その格差を利用して経済をドライブするという作りになっている資本主義』と『全て均質でやろうとする社会主義』は相性が悪い。現状を打開するためには普通に考えると、かつての改革開放以来の資本主義的なシステム、政策に戻すことが合理的だが、それでは習近平氏の支配体制が揺らいでしまい、自らの存在意義を危うくしてしまう。どちらを選択するか、非常に難しい局面にいると思う」と見解を示した。 中国のアメリカとの向き合い方については「アメリカ大統領選の結果次第で大きく変わる。とはいえ、米中2つの超大国の対立は国際情勢・地政学的に避けられず、急に仲良くなるとは考えにくい。だが対立の継続は中国にとってプレッシャーが強い。その中でどういう経済政策を選択していくのかは難しいところだ」と指摘した。 中国経済に復活の兆しはないのだろうか? 長岡氏は「テクノロジー分野の投資は割と進んでいてAI、EV、量子コンピュータなどの投資が先行して進んでおり、そこが突破口になるかもしれないが、『全体状況の中でそれが効いてくるのかどうか』という問題もあるため、引き続き注視していく必要がある」と述べた。 (『ABEMAヒルズ』より)