【高校サッカー選手権】新田との激闘を制した松山北、8大会ぶり6度目の選手権出場!
9月23日に合同チーム3チームを含む48校45チームが集い開幕を迎えた第103回全国高校サッカー選手権愛媛予選もいよいよクライマックス。11月10日に愛媛県松山市のニンジニアスタジアムで開催された決勝戦のカードは、シード校が軒並み敗れる中、持ち前の多彩な攻撃で4大会ぶり4度目の選手権出場へ王手をかけた第4シード・新田と、1回戦スタートながら準々決勝では一昨年代表の第2シード・帝京第五、準決勝では前年代表の第3シード・今治東中等教育学校を下し8大会ぶり6度目の選手権出場まであと1勝と迫った松山北とが激突した。 【フォトギャラリー】新田 vs 松山北 両校のスターティングフォーメーションは、新田は4-3-3、松山北は4-4-2システム。スターティングイレブンは新田はGKが17奥村俐仁(2年)。4バックは右から2清水結人(3年)、19吉田慶志(2年)、6石橋凛(2年)、3白井京典(2年)。中盤はアンカーにキャプテンの10田主松永羽(3年)が入り、その前に5永戸里空(3年)と8仲田蒼音(3年)。3トップは右から22木原大耀(2年)、18山内愛翔(2年)、11加藤陸瑛(3年)となった。 対する松山北はGKが1市中磨生(2年)、4バックは右から15倉本信繁(2年)、5末永瑛翔(2年)、4渡邉俊史(1年)、2米田倫太郎(2年)。中盤はダブルボランチに10森隼人(3年)とゲームキャプテンの7松永悠吾(2年)が入り、右サイドは13河上和嗣(2年)、左サイドは9河窪絋夢(2年)。2トップは11矢野泰聖(1年)と14大西然(2年)が組んだ。 試合は延長戦の20分を含めた90分を通じゴール前でのスリリングなシーンが数多く起こる激戦となった。新田はピッチを広く使いつつ、中央にスキがあれば素早く差し込む近年伝統となったチームスタイルを駆使すれば、対する松山北は相手のくさびパスを前向きに奪い、高速カウンターで攻めあがる高い戦術眼で対抗。松山北は10分、メンバー唯一の3年生であるMF10森のミドルシュートでゴールを脅かすと、新田も24分、MF11加藤の巻いたミドルが左ポストを直撃するなど多くの決定機を演出した。 ただ、松山北は30分過ぎからフォーメーションを新田と同じ4-3-3にすることでマッチアップのズレを解決すると、33分にはゴールライン際を左サイドから突破したFW11矢野が角度のないところから、35分にはトップ下気味に位置を上げた7松永が右クロスをダイレクトでシュート。さらに40分にはスルーパスに抜け出した矢野がGKをかわし右ポスト内側に当たりゴールマウスをかすめるシュート。いずれもゴールはならなかったが、やや優勢のまま前半を終えた。 新田は後半に入ると中盤と前線が激しくポジションチェンジを行うことで松山北の守備網を惑わせることに。43分には11加藤の右クロスに5永戸が飛び込み、53分22木原のシュートは右ポスト直撃。54分の8仲田の右クロスがファーサイドに流れ11加藤が走りこんだシーンは松山北GK1市中の勇気ある飛び出しに防がれた。 しかし、再三に渡るGK1市中の好セーブに加え、59分に一度はPKとされた判定が第2副審との協議により取り消されたことによって勇気を得た松山北は虎視眈々と新田のスキを狙っていた。そして迎えた72分、松山北は中盤でMF7松永がFWに位置を上げていた14大西に頭でくさび、胸でダイレクトで落とした大西のボールを柔らかく受けたMF10森が絶妙のスルーパスを送ると「あの瞬間だけセンターバックが割れてしまっていた」(新田・清水祐貴監督)間を入ったのはフリーランをしていた7松永。「GKの位置も見えていたので浮かせて撃った」シュートは新田ゴールを破りついに松山北が先制を果たした。