【高校サッカー選手権】新田との激闘を制した松山北、8大会ぶり6度目の選手権出場!
見えた試合の趨勢。が、後半に入りスタメンと全くクオリティーの変わらない選手を交代投入しさらに圧をかけにいっていた新田は79分、左サイドでの1対1を制した5永戸がクロスを放つと、ゴール中央で完全にフリーとなっていたFW22木原がヘディングシュート。これが松山北ゴールへ突き刺さり同点。その後、延長戦でも両チームに決定機が訪れたが次なるゴールは生まれず。選手権愛媛県代表校の行方はついにPK戦に委ねられることとなる。 ここで躍動したのは「前日のPK戦練習から当たっていたので自信を持って臨めた」松山北GK1市中であった。後攻新田1人目のキッカーを足に当てて止め勢いを作ると、3人目にもプレシャーをかけた結果、シュートはクロスバー直撃。対する松山北は4人全員が確実に決め松山北は8年ぶり6度目の選手権出場を決めた。 負傷でベンチ入りが叶わなかった松山北キャプテンのDF3末光瑛翔(2年)も「難しい試合の中でも折れずに闘えた」と振り返ったように、これまでの試合を確実に力に変え頂点を極めた松山北。「技術的なものはもともともっていたところに、夏のトレーニングマッチを通じて戦術的なことが加わった。選手たちが本当にやってくれた」昨年度から再び母校を率い自身も8年ぶりの選手権帰還となった63歳・兵頭龍哉監督も、ひとしきり感動の涙を流した。 さあ、ここからは第87回・88回・93回・95回と過去4度初戦で跳ね返されてきた全国での挑戦。指揮官は「全国はまた違うけんね」と伊予弁で謙虚な姿勢を崩さなかったが、定期的に松山大とのトレーニングマッチを組み、フィジカルコンタクトの課題にも向き合ってきた彼らにとって選手権1勝は決して超えられない壁ではないはず。 愛媛大会で成果を出した研究と挑戦心、そしてチームスローガンの「美攻賢守」でぜひ、初出場となった昭和37年度・第41回大会で小田原(神奈川)に1-1・延長抽選勝ちして以来、62年ぶりの選手権2勝目を松山北には目指してもらいたい。 (取材=編集部)