鹿児島県 キビ1グランプリ 榮さん(奄美市)が最優秀賞 「もうかるサトウキビ」目指す
奄美群島糖業振興会(会長・大久保明伊仙町長)主催の「第2回キビ1グランプリ」が7日、奄美市笠利町の農村環境改善センターであった。奄美群島内のサトウキビ生産者7人が登壇し、キビ農業の魅力や課題などそれぞれの取り組みの成果を発表。審査員や会場の来場者188人の審査の結果、榮力夫さん(奄美市)が第2回のトップを飾り、優秀賞に伊地知清隆さん(喜界町)が輝いた。 グランプリは各島でのサトウキビの減少・高齢化が進む中、次世代を担う若い生産者の意識向上を図るため、サトウキビ栽培に意欲的に取り組んでいる生産者を表彰。取り組みを群島内で共有することで生産振興や島外からのU・Iターンの促進を図ることなどが目的。昨年に続いての開催となった。 大久保会長はあいさつで「第1回大会では多くの方にYoutube(動画投稿サイト)で視聴していただいた。会場の皆さんにとってもサトウキビの魅力を感じていただき、楽しかった、見に来てよかったと思える大会になれば光栄」などと述べた。 各市町村から発表順に榮さん、松山尚也さん(伊仙町)、南郷龍王さん(徳之島町)、伊地知さん、福井源規さん(知名町)、仲洋志郎さん(天城町)、林耕太郎さん(与論町)が登壇した。 最優秀賞に輝いた榮さんは「さとうきびと生きる俺の人生」をテーマに発表。家族経営の㈱立神Worksに所属し、奄美市において生産部門で13年連続首位を達成している背景として、①家族で分業化②作業の効率化③農具の改良と整備は自分たちで行う経費削減④早期植え付け―などの取り組みを挙げ、「計画的な植え付けと管理で家族との時間も取れる。自分の時間も取れる。だから俺の職業は自由業」と説明。「サトウキビ産業の存続とみんながもうかるサトウキビ産業を目指している」と語った。榮さんには賞金30万円が贈られた。 講評で審査員長の出口洋・大島支庁農林水産部長は「サトウキビは地域において重要な作物であり、今回の発表を通じて、どのようにして貴重な資源を活用し、持続可能な経営を実現し、どういった取り組みをしているのかを知ることができた」などと語った。 発表者の取り組み内容を聞いた大島北高の音野孔希(おとの・こうき)さん(16)は「それぞれ個性的なは発表で具体的に取り組んでいる内容を知ることができた。学校でも発表する機会があると思うので、今回の大会を機にプレゼンテーションでの表現方法などを身に付けたい」と語った。