男子バレー小川智大がいま明かす…パリ五輪落選も「幸せな時間だった」ブラン監督が認めた世界トップリベロの本音「謝ってほしくないというか」
絶対にメダルは獲れると確信していた
福澤 そういうなかで、パリに同行することを決めて、ライバルであり一緒に築き上げてきた山本選手のパフォーマンスを見て、どんなことを感じましたか。 小川 まず、同行しないという考えはありませんでした。現役としてのキャリアはまだ続くので、未来を見据え、同行して目の前で、一緒にやってきたチームメイトがオリンピックで活躍する姿を見たかったんです。 このチームは強いし、絶対にメダルは獲れると確信していました。結果は負けてしまいましたが、イタリア戦での(石川)祐希さんの気合い、スイッチの入り方、智さんも2024年のパフォーマンスで一番よかったんじゃないかなというくらい、上がっていて。それだけ、気合いが入っていたし、勝ちたいという気持ちが伝わってきたので、外から見ていて嬉しかったです。 欲を言えば、オリンピックは一生の経験、財産になると思うんで、もっと楽しんでほしかったです。中にいた人間としてはそう思いました。本人たちは、真剣にやってるからこその楽しさもあったと思います。そこは「いいなあ、オリンピック」とグッとくるものがありました。 福澤 私は現地で、解説者として、元代表メンバーとして、感情移入もしながら見ていました。小川選手は、プレイヤーとして、俺だったらこうするのに、というような感情は出てくるもの? 小川 そうですね、出てきました。同じポジションの智さんのところだけでなく、チーム全体を見て、スタートのレセプションはしっかりやらなきゃ、とか、中盤のイージーサーブ、イージーボールをここ入れなきゃとか、ブラン怒りすぎでしょ、とか。 福澤 あはははは。 小川 ブランも、オリンピックだからか分かりませんが、普段ならレセプションがちょっとでも短くなったら、「ああ~」と言って、選手にプレッシャーをかけるところを、誰かがイージーボールを短くしたときに、プレー中には同じようなジェスチャーで「ああ~」とやっていましたが、戻ってきたときに走ってその選手のところに行って、肩をポンポンと叩いて「切り替えろ」みたいなことをやっていました。 そういう、ブランが本気でマネージメントしているところも見て、ああ、いいなあって思って。
ロス五輪へのビジョンとは…
福澤 オリンピックで目指すゴールが明確にあったなかで、これまで築いてきたものを、コートでどう出すか――、そこに集中していた姿を見て感動した人は多かったと思う。石川選手や山本選手、ブランのそのエピソードもそうだよね。 それでもなお届かない領域というものがある、その現実をつきつけられました。次こそはと、ロス五輪に目が向くわけですが、現時点ではどういうビジョンですか。 小川 そうですね……。
(「NumberPREMIER Ex」藤森三奈(Number編集部) = 文)
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