調理で防災意識高める パッククッキング実習 奄美大島
地域の高齢者らを対象とした「パッククッキング」普及活動が25日、鹿児島県奄美大島の奄美市笠利町であった。食生活改善推進員らを講師に、地域の高齢者20人が参加。災害時にも役立つ湯せん調理法を通して、手軽で健康的な自炊料理を学ぶとともに防災意識を高めた。 パッククッキングは、スーパーなどでも手に入る耐熱性の高密度ポリエチレン製袋に食材を入れ、湯せんで加熱する調理法。一つの鍋で同時に複数の料理を作ることができ、衛生管理が容易で節水にもなることから、防災の面でも近年注目されている。 同支所いきいき健康課は昨年、減災対策の一環として笠利町食生活改善推進員を対象にパッククッキングの研修会を初めて実施。今回は市の職員2人と笠利町食改の5会員が講師となり、一般の高齢者向けに開催した。 この日のメニューは市販の缶詰を使った焼き鳥ひじきご飯と野菜のみそ汁、きゅうりのマヨ酢和えの3品。参加者は袋の中に材料と調味料を入れて味を付けたり、袋のまま湯せんで加熱したりして、手際よく調理を進めた。 1時間ほどで全品が仕上がり、最後は全員で実食。参加者からは「自分で作るとおいしい。簡単だし、家でもやってみたい」という声や、「ご飯が少し硬いから、もう少し加熱時間を長くしてもいい」などの改善点が聞かれた。 笠利地区では今後も地域の老人クラブなどと協力しパッククッキング教室を開催する予定という。市の管理栄養士の野島未菜さん(25)は「皆さん積極的に調理に参加し楽しんでくれてとてもうれしかった。一人暮らしでも簡単に自炊できる調理法なので、もっと広めていきたい」と話した。