ガンプラ×雪が好相性…大雪の日に「寒冷地ジム」が大バズり「大人にとってネガティブな雪もこんな楽しみ方がある」
■「なぜ雪国にジムがいるのか?」本作の背景にある詳細まで考えられた物語
――本作制作時にはどのような物語をイメージされていたのでしょうか? 【mu】一年戦争で実戦投入されたビームライフルでしたが、地上での運用は大気中の塵や煙の影響を受けやすく、特に長距離での狙撃に有効な弾道の直進性を十分活かしきれずにいました。この短所を解消するため先進技術実証チームが発足。開発環境として秘匿性が高く遮蔽物の少ない北極基地が選ばれ、ビームスナイパーライフルの開発が進められました。 高出力のパワーユニットの排熱と小型化に難航しつつも、バックパックとライフルを分離しケーブルでつなぐ形で、MS単機でもどうにか携行できる目処を付けていました。 そんな矢先の12月9日、北極基地はジオン軍“サイクロプス隊”により強襲を受けます。この時、HLV打ち上げの攻防戦の裏で、別動隊によって試作ライフルの予備部品一式が奪取されたことはあまり知られていません。奪われた部品はユーコン級によってキャリフォルニアベースへ送られ、ジオン軍で同様に開発が進められていたビームライフルにそのまま転用されました。その後、ザクIによりビームスナイパーライフルが運用され、皮肉なことにトリントン基地の甚大な損害という形でその真価が発揮されたのです。…みたいな妄想です(笑)。 ――ストーリーもめっちゃしっかりと考えられていますね。本作制作時にどのようなところに苦労されましたか? 【mu】キット自体は、可動もプロポーションも良好なのでほぼそのままです。バックパックはプラ板を箱組したものにバイクの模型の空冷エンジンのフィンや剃刀の取っ手など、さまざまな素材をミキシングして“プロトタイプ”感を感じさせるよう作りました。バックパック背面には、僚機からもパワーユニットのステータスが視認できるという設定で電飾を施したのですが、まだ電飾に不慣れだったので配線に苦労しました。あとはライフルにつながるケーブルの素材と接続方法を試行錯誤した結果、ネオジム磁石を使うことで、自然な垂れ下がりと可動を両立させることが出来ました。 ――本作を含め、「ガンプラ」制作の際、一番気を付けていることはどんなことですか? 【mu】スケール感ですね。ガンダムは架空の物語ですが、登場するMSやメカそれぞれに説得力を持たせたところが世界観の要だと思っています。もし実在したらどこから乗るか、どんなふうに動くか、汚れるならどこだろう、みたいに想像をしながら作っています。 ――たしかに、架空にしては考察・考証が多いですね。それでは、最後にご自身にとってガンプラとは? 【mu】実在しないのに考証があるのも面白いですよね(笑)。「ガンプラ」は、気楽に作ることも徹底的に取組むことも出来て、オリジナリティも出せる、包容力のあるものだと思います。これからも、自分の価値観を人には押し付けずに、肩肘張らず好きなように作っていきたいと思います。 また、ガンダムの物語自体は、懐かしさと新しさの両方を見せ続けてくれる貴重なエンタメだと思います。今後の新作にも期待しています。