ハルに輝く阿南光・吉岡 2試合連続の2桁奪三振で完封 センバツ
◇センバツ高校野球2回戦(25日・甲子園) ◇○阿南光(徳島)3―0熊本国府● 【写真で振り返る】ピンチを切り抜け、叫ぶ吉岡暖 名前の通り、阿南光のエース・吉岡暖(はる)が、春に行われるセンバツで輝いている。2試合連続の2桁奪三振に加えて三塁も踏ませない完封勝利。「三振を取りたい時に取れたし、カウントを取りたい時に取れた」。縦のスライダーと見間違うほどのカットボールがさえわたった。 課題としている一回に2死二塁のピンチを招いたが、4番・中嶋真人に外角低めのカットボールを投げ込み、空振り三振でピンチを切り抜けた。 二回以降は球が上ずらないようにあごを引いて投げることを意識し、「振らせる変化球を練習してきた」と、最速146キロの直球ではなく、打者の手元で変化するカットボールを有効活用。六、七回は無死から走者を許したが注文通りの投ゴロ併殺に仕留めた。 六回以外は毎回の14奪三振に加えて無四球投球。七回に併殺打に倒れた中嶋は「何打席回ってきても打てそうになかった」とお手上げ状態だった。 1年半前から週に1回程度ピラティスに取り組み、上半身と下半身が連動するようになり球速はアップした。今春から高校野球で解禁された2段モーションも取り入れ「軸足に体重を乗せながら投げることができてコントロールが良くなった」。投球の安定にもつながってきている。 豊川、熊本国府と昨秋の地区王者を破り、春夏通じて初のベスト8入り。準々決勝では昨秋の明治神宮大会王者の星稜と対戦する。主将の井坂琉星は「最近は私学が強いことは認識しているが、公立も負けないところを見せたい」と力強い。「野球のまち推進課」があり、野球による地域おこしに取り組んでいる地元の徳島県阿南市にとっても、チームが光を放つ存在になっている。【藤田健志】