チューリング×NTTドコモ 自動運転でテスラ追随へ【WBS】
完全自動運転を目指す日本のスタートアップ「チューリング」は、NTTドコモグループとタッグを組んで、新たな自動運転システムを開発しました。大手企業と連携することで、先行するアメリカのテスラに追随したい考えです。 都内を走る1台の車。自動運転を手がけるチューリングのデータ収集車です。天候や道路情報、そして車や人の動きなど、自動運転の精度を上げるためのデータを、都内を走行しながら、24時間収集しています。 打倒テスラを掲げるチューリング。完全自動運転を可能にする生成AIの開発中で、30日にはNTTドコモグループから出資などを受け、生成AIの開発に必要なスパコンを独自に開発したと発表しました。 生成AIの開発には大量のGPU(画像処理半導体)が必要です。開発業者の多くは、そのGPUを搭載したスパコンを持つグーグルやマイクロソフトなどに利用料を払って生成AIを開発しています。
チューリングはNTTドコモグループと共同で、アメリカのエヌディビアのGPUを調達し、スパコンを独自に構築。ここで自動運転に必要なデータだけを集中的に計算させ、エンドツーエンドと呼ばれる映像認識から運転制御までの一連の自動運転モデルを開発したといいます。 「チューリングは本当はAIの会社なので、AIを作るための計算機を作るのは基本で、やり切ろうと思い決断した」(「チューリング」の山本一成CEO) 来年には都内の道路を30分以上完全自動運転で走行するシステムを構築するとしていますが、課題もあります。先行するアメリカのテスラは自動運転のための走行データを10万時間以上集めているとされています。対するチューリングは現在のところまだ約3500時間です。 来年までに4万時間を目指すとしていますが、データが自動運転の性能を左右するだけに山本CEOは「テスラとはまだすごく距離があるというのがファクト(事実)。ただ一方で、テスラをもってしても完全自動運転はまだできていない。われわれが圧倒的に強力なAIの自動運転システムを作ること」と話します。 チューリングとタッグを組むNTTグループですが、自動運転のソフトウェアの開発でトヨタ自動車と近く提携を発表します。自動運転を巡る企業の連携はますます活発になりそうです。 ※ワールドビジネスサテライト