楳図かずお、大友克洋から『鬼滅』吾峠呼世晴まで コスパ&タイパ最強「巨匠が描いた1巻完結漫画」5選
サブスクの映画を1.5倍速で鑑賞し、YouTubeでもショート動画の再生数が伸びる時代。 ■【画像】『AKIRA』大友克洋も書いていた1巻完結漫画の表紙はこちら■ 漫画であれば、「いくら内容が面白くても、30巻も読むのは気が重い……」という方も多いだろう。 ということで、今回は有名作品を持つ巨匠が描いた“1巻で完結する傑作”を紹介していこう。 オンラインコミック『少年エッジスタ』の元編集長で『鉄鋼都市アガルタ』(小学館)などの著書がある作家の黒沢哲哉氏は次のように語る。 「たとえば『週刊少年ジャンプ』(集英社)は、アンケート結果が悪いと途中で躊躇なく連載打ち切りにします。だから1巻だけということも出てくるわけですが、その作品が駄作とは必ずしも言い切れない。むしろ短いからこそ、作者のエッセンスがたっぷり詰まっていたり、ギラギラした野心が感じられる力作が多い印象もあります」 前出の黒沢氏と毎日新聞で文芸時評『私のおすすめ』を担当する書評家の倉本さおり氏の両氏がお勧めする5作品はこれだ! ■『半魚人』(楳図かずお/講談社ほか) 「もともとは『週刊少年マガジン』(講談社)に連載されていた作品ですが、複数の出版社から何度か出版されています。今年10月に、お亡くなりになった楳図先生は、時代に合わせて様々な作風の漫画を描いてきました。テレビなどで紹介されるときは『まことちゃん』(小学館)や『漂流教室』(小学館)が取り上げられることが多いですが、個人的には初期の恐怖漫画が最高だと信じていますね。この『半魚人』は、普通の少年がマッドな父親によって半魚人に改造されてしまう話。食料危機と人口爆発によって人類は地上で生きられなくなり、海で生活するしかないということになるんです。問題はその改造シーンがグロテスクなこと。メカニカルに手術するのではなく、刃物で口をバリバリッと引き裂くんです。さらに水槽の中でゴボゴボ溺れさせられてね……。もがき苦しむ描写はトラウマ必至! オバケとかゾンビが出てきて“キャー!”って叫ぶ感じとは違う、心の底からゾッとするような怖さがあります」(黒沢氏)