中国最大級の音楽フェス「イチゴ音楽祭」開催、日本とまた違う運営方法は?
5月1日は中国でも労働節という祝日で、例年多くのイベントが上海市内や近郊で催されます。その中でも有名なイベントがストロベリー・ミュージック・フェスティバル(以後、イチゴ音楽祭)という音楽フェスです。 イチゴ音楽祭は中国国内で最大の音楽フェスの一つです。2009年に始まり、2011年からはほぼ毎年労働節の3連休に北京と上海の2都市同時(2011年のみ北京と蘇州)で開催し、近年は2都市以外にも時期をずらしながら西安や武漢などの地方都市でも巡回式に開催する、珍しい形式で運営しています。運営元は北京のモダン・スカイという音楽レーベルで、所属アーティストを中心に国内のアーティストが多く参加し、台湾や欧米などからも音楽家を招聘し開催しています。
とはいえ、日本のフジロックやサマーソニックなどの大型フェスに比べるとこじんまりとしており、レッド・ホット・チリ・ペッパーズやレディオヘッドなど超大物アーティストが来るということも少ないです。 チケット価格も3日通し券で600元(約1万円)、1日券で240元(約4000円)、学割で180元(約3000円)と、フジロックの1日券(一般)が19,000円、サマーソニックの1日券が16,500円と比べるとかなり低価格な為、さすがに海外の大物を集めるのは難しいようです。 今年北京と上海の大トリは、今年のフジロック出演でも話題のディスクロージャーと、ザ・プロディジーで、イギリスのエレクトロミュージックに注力している傾向がありますが、国内のアーティストに関しては特に偏りはないようです。
また、このような価格設定の理由として、来場者の多くが学生層であることも関係しているでしょう。上海の大学や高校には日本のような学園祭がないため、イチゴ音楽祭などがその代替的イベントと化しているようです。興行としては価格帯を上げて内容をより充実させたいでしょうが、日本のような価格設定にしてしまっては従来の客層が一気に離れてしまうでしょう。