巨人・浅野翔吾が磨く打席での考え方「もうちょっと〝大人〟にならないといけない」 夜食後には毎日1時間の打ち込み
【G戦士の鼓動】 巨人のファームで研鑽(けんさん)を積む選手を中心にクローズアップするウェブ連載「G戦士の鼓動」(随時掲載)。それぞれの奮闘記を描く。第13回は高卒2年目の浅野翔吾外野手(19)。 【写真】巨人・岡本に体当たりする中日・中田翔 苦しんだ分だけ、成長できる。日に日にたくましさが増すホープが〝大人の階段〟を上ろうとしている。4月に2軍降格した浅野が、川崎市のジャイアンツ球場で自身と向き合いながら鍛錬に励んでいる。 「1年目は思ったより順調でしたけど、2年目は(打席内で)何でもかんでも(ボールに)がっついていて。もうちょっと〝大人〟にならないといけないなと思う」 香川・高松商高から入団2年目を迎えた19歳が口にする〝大人〟とは、打席内を含めた考えた方についての表現だ。開幕1軍スタートした今季は、スタメンなどで3試合に出場したが、9打数無安打。4月8日に出場選手登録を抹消され、阿部監督から「(打席で)ただ漠然と(振りに)いっているようにしか見えない。たまには変化球を待ってみようとか、そういう練習も必要」と〝宿題〟を課され、送り出された。 指揮官の言葉を胸に刻み、「振りにいった中で、ボール球を止まれるように」と試行錯誤しながらバットを振り込む日々を送る。行動も変わった。寮の部屋で過ごすつかの間の時間にユーチューブを見ていても、ふと頭の中をめぐるのは打撃のこと。寮も移動し、ジャイアンツ球場内に新設。すぐに練習に取り組める環境が整い、ほぼ毎日、夜食後には室内練習場に足を運び、1時間の打ち込みに励む。 部屋では、腰痛で苦しんだ経験からストレッチに費やす時間が増えた。ときたま、寝床の横に置いてある〝師匠〟イチロー氏のバットを握り、窓に映る自身の打撃を確認する。24時間、ひたすら野球と向き合い、1軍再昇格を目指している。 世間では、大学2年生と同い年の若武者はいう。「大卒の人に比べたら考え方とか甘い部分ばかり。でも長野さんとか(坂本)勇人さん、(岡本)和真さんとかいろんな人に話を聞けるのでいい経験をさせてもらっている。その環境に感謝して、同い年が入ってくるまでには実力をつけたい」。まだ19歳。殻を破るために考え、もがく今が明るい未来へとつながる。(樋口航)