「自己啓発本を何冊も買い続ける人」に教えたい“危うさ” 本を「師」ではなく「道具」としても使うのが重要
自己啓発本に書かれていることが「万人に効く薬」だと考えていませんか。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』などがある漫画家・イラストレーター・グラフィックデザイナーのJamさんが、その危うさについて自身の経験も踏まえて解説します。 【漫画でわかる】自己啓発本を「買う人」と「買わない人」の差 ■雑学や名言・格言が多くて面白いが… 「本棚が自己啓発本だらけ」「ついつい何冊も買い続けてしまう」 そうした人たちは、なぜ自己啓発本を何冊も買い続けてしまうのでしょうか。その理由を考えてみました。
まず、作家のファンである場合や、単にそのジャンルが好きだという人もいると思います。私もマイブームで何冊も読んでいた時期があります。俗にいう自己啓発本とは、「人生の成功や、能力の向上のための手段を知り、自己啓発を目的とする内容の本」なので、一冊目を読むまではハードルが高く感じたのですが、いざ読んでみたら、会話のつなぎになるような雑学や、名言や格言がたくさん紹介されていて、面白いと思いました。 私も自己啓発本のジャンルに該当する本を何冊か書いていますが、自著では夏目漱石や寺山修司の名言を紹介したり、ちょっとした雑学を交えたりして書くことがあります。今まで興味がなかったジャンルや知らなかった言葉を知ることで、次に読む本を選ぶ参考にもなります。
本来の自己啓発本の使い方とは異なるかもしれませんが、漫画や小説を読むのと同じように、娯楽の1つとして自己啓発のジャンルの本をたくさん読む人もいると思いました。 もう1つが、本来の目的である「自己啓発本で能力を向上したり、人生を変えたりしたい人」です。「なぜそんなに何冊も必要なの?」と不思議がられるのは、おそらくこちらの人ではないでしょうか。 自己啓発本の内容が人生に役に立つ人というのは、本を「師」ではなく「道具」としても使える人だと思います。人生は個々により能力も状況も背景も違いますから、どんなにすばらしい「師」の生き方を参考にしても、それが自分にあっているとは限りません。また、道具はあれば便利ですが、地道な努力や試行錯誤なしでは成功はありえません。