社長就任6年で、2倍近くの72店舗に

創業から約40年間は北九州を中心に店舗展開をしていました。 佐藤氏：創業時から資さんうどんの味をより多くの人に楽しんでもらいたい思いはありました。ただ、経営リソースや人員の問題とか、地域拡大に一歩を踏み出す勇気がなかったことなどがあって、なかなか店舗を広げることができませんでした。 　加えて、昔は今ほど情報が行き届いていなかったので、地域ではやるもの、地域で愛されるものがなかなか広がっていかなかった面があったと思います。現在はインターネットの普及などにより情報がどんどん流通していくようになり、いいものはすぐ日本中に伝わります。そういう背景も含め、以前にできなかったことがこの6年間にできるようになってきたということです。資さんうどんは私が着任したときは39店舗でしたが、今は72店舗と2倍近くになりました。 すかいらーくHDは飲食店のデジタルトランスフォーメーション（DX）化を積極的に進めています。 佐藤氏：資さんは店舗の目指すべきDX像について「半歩先のDX」という表現をしています。お客さまに便利に店舗をご利用いただきたいということが前提にありますが、使いにくい技術を無理に導入すると現場の従業員の負担が増えますし、それは結果としてお客さまにも迷惑をかける事になります。そのため、従業員の働きやすさにつながるDXを目指していますが、そういう意味では、すかいらーくHDの各店舗で導入しているDXは僕らの考えに近いなと思っています。そこは僕らよりも進んでいる部分がたくさんありますので、必要なところは積極的に取り入れていきたいと思っています。 海外展開についてはどのように考えていますか。 佐藤氏：やはり海外に住む方が資さんうどんを食べておいしいねと思っていただけたら、こんなに幸せなことはないと思います。すかいらーくHDも、台湾とかマレーシアとか米国に進出して非常にうまくいっているということですので、そういったノウハウや、彼らが今持っている海外での経営資源も活用させていただけるというふうに期待しています。 今後の店舗拡大はどのように考えていますか。 佐藤氏：私たちが正式にすかいらーくグループに入るのは10月以降の話なので、これから話し合っていく段階です。ただ、店舗展開をより加速できると考えており、多店舗展開における成功確率が上がっていくと思っています。何か大きな経営方針が変わるというよりは、より高い目標に向かって歩んでいくことを目指していきます。 　すかいらーくHDはそのような意味で力強いパートナーですし、力強いインフラが資さんの経営資源として加わったといいますか、活用させてもらうようになったということだと思っています。