長谷川穂積が語る「中谷潤人のここがスゴい」井上尚弥と対戦なら勝算は…? 那須川天心にも金言「僕も世界王者になるまで判定ばかりだった」
「堤聖也が中谷潤人とやったら分からない」
中谷と井上の対戦は楽しみにしたいところだが、長谷川さんが現時点で提唱するのはバンタム級日本人王者4人によるトーナメント戦だ。 「4人とも日本人なんて今しかないんですからね。次の試合でだれか負ければ全員日本人ではなくなります。もちろん指名試合もありますし、実現は難しいでしょう。ただ、僕としては純粋に見てみたい。トーナメントの抽選会をやったらめちゃくちゃ盛り上がると思うんですけどね」 現在のチャンピオンはWBAが井上拓真(大橋)からベルトを奪ったばかりの堤聖也(角海老宝石)、WBCが安定王者の中谷。IBFの西田凌佑(六島)、WBOの武居由樹(大橋)は年内に防衛戦を行うと見込まれている。この中で長谷川さんの一押しが中谷vs堤だというのは興味深い。 「僕は堤選手が中谷選手とやったら分からないと思うんです。どこかで巻き込む可能性がありますから。もちろんその前にパンチをもらって倒れる可能性もありますけど、堤選手にはそこで倒れないタフさがある。拓真選手に勝った試合くらいの覚悟があればそう倒れないですよ。この前の試合を見る限り、堤選手は武居選手にも西田選手にも勝つ可能性はあると思いますね」
那須川天心への本音「僕は100点に近い内容だと思う」
そしてもう一人、この争いに加わってほしいと期待されている選手がWBOアジアパシフィック王座を獲得した那須川だ。結果は無敗の新鋭、ジェルウィン・アシロ(フィリピン)に10回判定勝ち。「KOできなかった」とマイナスにとらえるファンも多い中、長谷川さんは次のように見た。 「内容的にはもうちょっと激しい試合を見たいと思っていた人が多いと思うんですけど、KOできなかったことを除いたら完勝の試合だったと思います。確かにもっと手数がほしいとかはあるんですけど、僕は100点に近い内容だったと思います」 長谷川さんはファンの目線の厳しさに触れる。 「井上尚弥選手が基準になって感覚がマヒしてる気がします。倒してなんぼの時代ですよね。僕が世界チャンピオンになる前なんて判定ばかり。もうちょっと倒せ、みたいな声もありましたけど『もらわずに勝ったからええやん』で済みました。今はファンの目線が厳しい。でも、天心選手は今、経験を積む時期です。今回、10ラウンドを経験できた。それが良かったと思うんです」 その上で課題を挙げるとすればどんなことなのだろうか。 「パンチをもらわず、カウンターを当てるところが天心選手の良さです。カウンターのテクニックで魅せる。ただ、パンチの乗せ方はまだ分かってないのかなと思います。まだ完全にとらえ切れてない。もしかしたらミットとかスパーではできているのかもしれないけど、それが試合で出るようになるといいと思います」
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