プラダが海洋保全教育プログラムを拡大 国境なき図書館とも新たに提携
「シー ビヨンド」初の人道的プロジェクト
また、新たに取り組むBSFとのパートナーシップは「シー ビヨンド」初の人道的プロジェクト。恵まれない地域や教育・文化的リソースを必要としているコミュニティーの子どもや若者が海洋教育を受けられるようにすることを目的に掲げる。そのために活用するのが、デザイナーのフィリップ・スタルク(Philippe Starck)がBSFのために開発した移動式マルチメディアセンター「アイデアボックス」だ。100平方メートル以上あるボックスには、250冊以上の本やゲーム、トレーニング教材、インターネット接続されたタブレット端末やノートパソコンなどが含まれ、コンテンツは提携先に合わせてオーダーメードされる。6月には、「シー ビヨンド」のために初めて海洋教育に特化したボックスが誕生し、世界海の日にイタリア・ベネチアで公開予定だ。その後、イタリア国内を巡回する。加えて、フランス、ブルンジ、コートジボワールにある既存の「アイデアボックス」にもユネスコの専門家が監修した海洋リテラシーに関するコンテンツが追加されるという。
07年に設立された同団体のジェレミー・ラシャル(Jeremy Lachal)=ジェネラル・ディレクターは、「BSFは本を配布することから始まったが、恵まれない地域には識字率が低いところも多い。自分たちが直面している大きな問題への解決策を見つけるための知識にアクセスできるようにすることがミッションだ」と活動について語った。
なお、プラダ グループは23年7月からリサイクルナイロン素材を使った“プラダ リナイロン(PRADA RE-NYLON)”コレクションの収益の1%を「シー ビヨンド」に寄付。プロジェクトの一環として、1万4000人を超える従業員向けの研修や、「ラグーン幼稚園」と呼ぶ未就学児を対象とした野外教育プロジェクトも行っている。