【岩本輝雄】本気を出したらもっと凄そう。“6割”鎌田の余裕のプレーに魅せられた。今の森保ジャパンは昔のバルサっぽいね
派手さはないかもしれないけど、サッカーセンスは抜群
[北中米W杯アジア最終予選]日本 4-0 インドネシア/11月15日/ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム 【画像】日本代表のインドネシア戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介! 4選手に7点の高評価。MOMは2点に絡んだ15番 敵地でインドネシアと対戦した森保ジャパン。試合の入りは、ちょっと危なかったね。3バックの両脇をやられて、いくつかのピンチがあった。でも、彩艶のビッグセーブも含めて失点はしなかった。 まあ、先に点を取られても負けはしなかったと思うよ。それだけ力の差はあるから。谷口がいない3バックの人選や配置とか、少なからず課題も見えただろうから、その点は良かったんじゃないかな。 目立っていたのは、中盤のトライアングル。ボランチの遠藤と守田、シャドーの鎌田の3人は、距離感が良くて、つなぎも安定している。鎌田が下りれば、守田がすっと前に出るとか流動的な出入りもスムーズだった。 特に鎌田が良いよね。そこまで派手さはないかもしれないけど、サッカーセンスは抜群。360度、周りが見えていて、シンプルにさばく、運ぶところは運ぶ、相手を食いつかせるようなプレーもできる。その状況判断が見事だった。 立ち位置も、相手が出てこれないような絶妙な場所にいる。そこでボールを引き出して、テンポ良くさばいてリズムを生み出す。まさにチームの“心臓”だと思った。 一つひとつのプレーに余裕があるしね。余計な力が入っていないというか、インドネシア戦では6割ぐらいでやっているような気がした。もちろん良い意味で、あれ本気でやってないでしょ(笑)。だからこそ余裕があるんだろうし、でもそれって技術がなければできないから、相当にサッカーが上手いんだと思う。本気を出したもっと凄そうだよ。 鎌田のいる中盤を見ていると、昔のバルサを思い出すよね。シャビ、イニエスタ、ブスケッツらがいた時代のバルサ。難しいことはしないけど、確かなテクニックでパスをつないでゲームを支配する。止めて・蹴るとか、スペースを作ってそこに入っていくとか、サッカーって簡単なんだなって改めて思わせてくれる。 今の森保ジャパンはそれに通じるものがあるから、絶対に見たほうがいい。そのなかで、やっぱり鎌田。サッカーを難しくしない。簡単にプレーして、最も効果的なことをやる。彼を見ているだけでも楽しいはずだし、気づかされることは多いと思うよ。 【著者プロフィール】 岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。
【関連記事】
- 「メンタリティが素晴らしい」POM級に輝いた鎌田大地が絶賛した日本代表戦士は?【現地発】
- 「得失点差がもう笑」「中々みないデータ」強すぎる森保ジャパン、グループC順位表にファン驚愕「2位から混戦なの有難い」【W杯最終予選】
- グループCは2位以下混戦で「泥の組」。“独走”森保Jを韓国メディアも続々報道!「最も完璧な攻守のバランスを誇る」【W杯最終予選】
- 「日本は世界でもトップクラスだ」プレミアやリーガで活躍したインドネシア代表の重鎮DFが森保Jの“破壊的強さ”に驚嘆!「僕は日本のサッカーが好きなんだ」【現地発】
- 【日本4-0インドネシア|採点&寸評】序盤は思わぬ苦戦も、熱狂的な敵ファンを黙らせる4発快勝! 最高の7点評価は4人、MOMは迷ったが…