豪保険会社から顧客データ流出 ロシア人男性に資産凍結と渡航禁止の制裁 豪当局
オーストラリアの保険会社からおよそ970万人分の顧客データが流出した問題で、オーストラリア当局は23日、ロシア人の男性に対し、データ流出に関与したとして資産凍結と渡航禁止の制裁を科しました。 AP通信などによりますと、2022年10月、オーストラリアの保険会社大手の「メディバンク」に対し、何者かがサイバー攻撃を行い、不正に暗号化された顧客データと引き換えに、「身代金」の支払いを要求しました。 メディバンクが支払いを拒否したところ、データがネット上に不正に公開されたということです。データはおよそ970万人分で、中にはHIVの診断結果や薬物使用による治療についての情報も含まれていました。 オーストラリア当局は23日、このデータ流出に関与したとして、ロシア人のアレクサンドル・エルマコフ氏に対し、資産凍結と渡航禁止の制裁を科しました。 制裁が科されるのは、オーストラリアで2021年にサイバー攻撃に対する制裁を法制化して以来、初めてだということです。 オーストラリアでは、ここ数年、サイバー犯罪が急増していて、政府は去年、サイバーセキュリティーに関する対応を全面的に見直していました。