ネットフリックス『REBEL MOON ー パート1:炎の子』の壮大なSFアクションに夢中になる!
ここ数年、映画界の巨匠たちが本気で作りたい映画を目指して、配信(ストリーミング)会社と手を組むケースが急増。マーティン・スコセッシやリドリー・スコットの最新作もその流れに乗っていた。ハリウッドのアクション映画を牽引するこの人、ザック・スナイダーもネットフリックスで壮大な2部作に挑んだ。 『300<スリーハンドレッド>』や『ジャスティス・リーグ』などを手がけてきたザック・スナイダー監督が、数十年の構想の末に、満を持して送り出したのが、この『REBEL MOON』2部作。11歳の時に『スター・ウォーズ』の1作目を観て「自分もこんな映画を作りたい!」と映画監督を目指した彼が、その原点を追い求めるように壮大なスペースオペラを完成させた。 物語は小さな惑星の村ではじまる。銀河系を支配する帝国のマザーワールドが、その村の農作物を狙って来襲。危機を救うために立ち上がったのは女性戦士のコラだった。このパート1では、巨大なマザーワールドに対し、コラが各地で“ならず者”の戦士をリクルート。少数精鋭の集団を組織し、マザーワールドの提督が組織する軍と激しいバトルを繰り広げる。 超個性派ながら、それぞれ無敵のテクニックを秘めたチームが、絶対に叶わないような敵と対峙する。まさにアクション映画の王道を極めた設定に、観ているこちらは安心して身を任せられる。パート1では各キャラの性格や得意技が描かれつつ、コラと出会うまでの過去には謎も多く、そこがパート2で明かされるのでは……と期待を膨らませる演出が巧妙だ。 なかでも韓国の人気俳優、ペ・ドゥナが演じる剣の達人、ネメシスがミステリアスなムードで強いインパクトを残す。その他にもクリーチャー的な魔物や、AIのようなロボットなど、新しさと懐かしさがブレンドされた“レトロフューチャー”なビジュアルで見どころが満載。スナイダー監督が細部までこだわった世界観を心ゆくまで楽しむうえで、ゆっくり時間がとれる年末年始前に配信スタートというのも、完璧なタイミングだ。 『REBEL MOON パート1 炎の子』12月22日配信 監督・脚本/ザック・スナイダー 出演/ソフィア・ブテラ、ジャイモン・フンスー、エド・スクレイン、ミキール・ハースマン、ペ・ドゥナ、チャーリー・ハナム、アンソニー・ホプキンス 配信/ネットフリックス 2023年/アメリカ/視聴時間135分
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito