洗濯のプロがニット洗いの「お悩み」を解決 縮まない・伸びない”おうち洗いの正解"とは? 意外とやっている「NG行為」で寿命を縮める例も
素材的には、白物であれば①ハード、色物であれば②のミディアムに当てはまるのですが、フィブリル化による繊維のささくれや、ニットという編み物の性質上、伸びて形が崩れるのを回避するために、絵表示では手洗いまたは、弱水流での洗濯機洗いになります。そうすると、水に強い綿や麻素材であっても③ソフトで洗うという選択肢になります。 ■合成繊維のニットの場合 ポリエステル、アクリル、ナイロンといった合成繊維のニットは、フェルト化して縮みを起こしたり、フィブリル化を起こして繊維がささくれ立ったりすることはありません。
そのため、素材的には①ハードや②ミディアムでも洗えなくはないのですが、やはり洗濯中に伸びてしまうのを防ぐため、手洗い、または弱水流での洗濯機洗いを指定した絵表示になっているアイテムもあるはずです。 ■水洗いした場合のデメリット 洗濯をするなら、上記のような考え方で洗い方を選びますが、洗濯(水洗い)をした場合のデメリットも同時に考えておかないといけません。 まず、水洗いをするとニットのコシがなくなり、よれてきます。この変化を、洗い方が悪いのかな? とか、洗剤を変えればいいのかな? と思ったりする人も多いのですが、これはいくら洗い方や洗剤を変えても、水で洗う限りは根本的に防ぐことができません。
また、3つの洗い方でハード→ミディアム→ソフトに移っていくほど衣類への影響は少なくなるのですが、同時に洗浄力は弱まります。落としきれない汚れが蓄積すると、黒ずんでくすんだような色合いになります。 元の状態を崩したくないアイテムほどできることが限られていくため、ミディアム→ソフトにいくほどクリーニングが向くアイテムになります。外側から付く汚れを落とすという点でも、油で洗うドライクリーニングをすることも理にかなっています。
そのため、僕ら洗濯のプロはセーターやカーディガンのようなニットを洗う場合、ドライクリーニングを第一に考えます。状態を崩さないためにも、汚れをきちんと落とすためにもです。 短期間に買い替えるのが普通になっている人も多いですが、ニットはそれこそ一生着ることができるアイテムの1つですが、洗濯(水洗い)だとそれが難しくなります。 ニットを頻繁に洗う原因の多くは、きちんと汚れが落とせていない洗い方をしていることが挙げられます。