【米ビルボード・ソング・チャート】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」通算18週目の1位、ホリデー・ソングがTOP10独占
マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が通算18週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。 12月14日付で約1年ぶりに首位に復帰した「恋人たちのクリスマス」は、12月21日付、12月28日付に続き、年をまたいだ今週のチャート(2025年1月4日付)でもトップを維持して、今シーズン4週連続、通算18週目の首位を獲得した。この記録は、どちらも19週間を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」、シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」に続く史上3番目で、あと1週でその記録に並ぶ。 シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」 (2024年/19週) リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年/19週) マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019~2024年/18週) モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年/16週) ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年/16週) マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~1996年/16週) 上記の曲は全てルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得したタイトルで、それ以前よりも長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。 1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。発売25年目の2019年12月21日付で遂に通算19曲目の首位に輝いた。首位獲得19曲は、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ史上2番目の記録で、女性アーティストとしては最多記録を保持している。 これまでには、2019年に3週間、2020年に2週間、2021年に3週間、2022年に4週間、2023年に2週間、2024年は3週間、2025年が1週間、7年連続(6シーズン目)で首位を獲得して、初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週(2025年1月4日付)までの期間を5年2週間に更新した。 今週の集計期間(2024年12月20日~12月26日)はクリスマスのピークということもあり、週間ストリーミングは前週から50%増加の7,190万回に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでも先週に続き1位をキープして、同チャートでの首位獲得総週を通算22週目に更新し、史上最長記録をさらに伸ばしている。 また、ホリデー・ソングの週間再生回数としてもブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が今年の1月6日付で記録した5,730万回を上回り、史上最長記録を更新した。なお、今週2位にランクインしている「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、今週の週間再生回数が7,130万回(48%増加)、3位のワム!の「ラスト・クリスマス」は6,960万回(51%増加)、4位の故ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」は6,480万回(46%増加)に、それぞれ前週から再生回数を伸ばしている。 「恋人たちのクリスマス」は、前週比23%増加となる3,540万回のオーディエンス・インプレッションを獲得して、エアプレイ・チャートでは前週の16位から7位に上昇。これまでの最高位だった11位を上回り、初のTOP10入りを果たした。同曲がリリースされた1994年のチャートでは12位にランクインして、30年を経てTOP10入りしたことになる。 マライア・キャリーは、これでエアプレイ・チャートでのTOP10入りを通算24曲目に更新。2009年に6位を記録した「オブセスト」以来、約15年ぶりのランクインを果たした。エアプレイ・チャートで初めてTOP10入りしたのは、2ndシングル「ラヴ・テイクス・タイム」がランクインした1990年12月で、TOP10入りした24曲中11曲が1位を獲得している。エアプレイ・チャートでTOP10入りした曲数としては、リアーナの30曲に続くの2番目(24曲を保持しているドレイクと同率)、1位を獲得した曲数もリアーナの13曲に続く2番目の記録となる。 12月6日にリリースされた発売30周年記念の7インチと12インチのアナログ盤、カセットテープ、CDによるフィジカルの売上とデジタル・ダウンロードのトータル・セールスは23%減少の8,000に落ちたが、デジタル・ソング・セールス・チャートでは通算6週目の首位をキープした。 これまでホリデー・ソングとして首位を獲得したのは、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、ザ・チップマンクス&デヴィッド・セヴィルの「ザ・チップマンク・ソング」、昨シーズンに3週間を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」、今週で通算18週目に記録を伸ばした「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、引き続き「恋人たちのクリスマス」が最長記録を保持している。 マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年から今年まで、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で首位を獲得した初のアーティストで、その「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2025年1月4日付)までの期間を34年5か月に更新し、ブレンダ・リーが「アイム・ソーリー」(1960年7月18日付)から「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(2024年1月6日付)で達成した63年5か月3週間に続く、史上2番目の記録をさらに更新した。 今週「恋人たちのクリスマス」が18週目の首位を獲得したことで、マライアは首位獲得総週を通算97週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。 97週 マライア・キャリー 60週 リアーナ 59週 ザ・ビートルズ 56週 ドレイク 50週 ボーイズIIメン マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2025年1月4日付)まで、以下の21年間で首位を獲得していて、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で首位を獲得した初のアーティストとなった。 1990年「ヴィジョン・オブ・ラヴ」、「ラヴ・テイクス・タイム」 1991年「サムデイ」、「アイ・ドント・ウォナ・クライ」、「エモーションズ」 1992年「アイル・ビー・ゼア」 1993年「ドリームラヴァー」 1994年「ヒーロー」 1995年「ファンタジー」、「ワン・スウィート・デイ with ボーイズIIメン」 1996年「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」 1997年「ハニー」 1998年「マイ・オール」 1999年「ハートブレイカー feat.ジェイ・Z」 2000年「サンク・ゴッド・アイ・ファウンド・ユー feat. ジョー&98ディグリーズ」 2005年「ウィ・ビロング・トゥゲザー」 2006年「ドント・フォゲット・アバウト・アス」 2008年「タッチ・マイ・ボディ」 2019年「恋人たちのクリスマス」 2020年「恋人たちのクリスマス」 2021年「恋人たちのクリスマス」 2022年「恋人たちのクリスマス」 2023年「恋人たちのクリスマス」 2024年「恋人たちのクリスマス」 2025年「恋人たちのクリスマス」 21年間首位を獲得したのはマライア・キャリーが史上最多で、これまでには以下の4組が10年間にわたり首位を獲得している。 ・ポール・マッカートニー&ウイングス(1971年、1973~76年、1978年、1980年、1982~84年)※ザ・ビートルズ名義では7年間首位を獲得 ・ビヨンセ(2003年、2006~09年、2017~18年、2020年、2022年、2024年)※デスティニーズ・チャイルド名義では3年間首位を獲得 ・マイケル・ジャクソン(1972年、1979~80年、1983~84年、1987~88年、1991~92年、1995年)※ジャクソン5名義では1年間首位を獲得 ・マドンナ(1984~87年、1989~92年、1995年、2000年) 「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも先週に続き首位をキープして、通算65週目の首位を獲得した。同チャートの集計が始まったのは2011年からで、チャート総週73週間のうち65週を「恋人たちのクリスマス」が首位を独占している。また、ビルボードが発表した“史上最高のホリデー・ソング100曲”のリストでもトップにランクインした。 前述の通り、今週は集計期間がクリスマス・ウィークだったこともあり、TOP10をホリデー・ソングが独占した。TOP10中10曲全てホリデー・ソングがランクインするのは、ソング・チャート“Hot 100”史上初のチャート・アクションとなる。 上記のとおり、2位はブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(1958年リリース)、3位はワム!の「ラスト・クリスマス」(1984年リリース)、4位はボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」(1957年リリース)がランクインして、先週9位に初のTOP10入りを果たしたアリアナ・グランデの「サンタ・テル・ミー」(2014年リリース)は今週5位に上昇し、最高位を更新した。 「サンタ・テル・ミー」は、12月20日にリリース10周年を記念したカセットテープ、CD、新しいアートワークによる7インチのアナログ盤がリリースされたことで、シングル盤の売上は前週から758%増加し、ダウンロードを含むトータル・セールスは9,000を獲得。ストリーミングは前週比52%増加の4,200万回、エアプレイは27%増加の1,140万回にそれぞれ数字を伸ばしている。 アリアナは、これでTOP5入りした曲数を16曲目(TOP10入りした曲数は23曲)に更新。全アーティストのホリデー・ソングとしてTOP5入りした曲数としては「サンタ・テル・ミー」が8曲目のタイトルとなる(TOP10入りした曲数は16曲)。 先週5位にランクインしていた故バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」(1964年)は6位に順位を下げて、故アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(1963年リリース)は7位をキープ。故ディーン・マーティンの「レット・イット・スノー」(1959年リリース)は引き続き8位にランクインして、先週初のTOP10入りを果たしたケリー・クラークソンの「アンダーニース・ザ・ツリー」(2013年リリース)は今週9位に、最高位を更新した。10位には、先週14位にランクインしていた故ナット・キング・コール「ザ・クリスマス・ソング」(1946年録音)が上昇し、TOP10復帰している(最高位は9位)。 今週は、TOP10以下にもホセ・フェリシアーノの「Feliz Navidad」(1970年リリース)が先週の16位から11位、マイケル・ブーブレの「イッツ・ビギニング・トゥ・ルック・ア・ロット・ライク・クリスマス」(2011年リリース)が15位から12位、ザ・ロネッツの「そり滑り」(1963年リリース)が17位から13位、チャック・ベリーの「ラン・ルドルフ・ラン」(1958年リリース)が21位から14位、ダーレン・ラヴの「クリスマス」(1962年リリース)が23位から15位、ペリー・コモ・ウィズ・フォンテイン・シスターズの「クリスマスらしくなってきた」(1951年リリース)は24位から16位にそれぞれ上昇し、TOP16をホリデー・ソングが独占した。TOP25中、非ホリデー・ソングとしてランクインしたのは、レディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」(17位)と、シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」(24位)の2曲だけで、23曲をホリデー・ソングが独占している。 Text: 本家 一成 ※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月3日以降掲載予定となります。 ◎【Hot 100】トップ10 1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー 2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー 3位「ラスト・クリスマス」ワム! 4位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ 5位「サンタ・テル・ミー」アリアナ・グランデ 6位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス 7位「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」アンディ・ウイリアムス 8位「レット・イット・スノー」ディーン・マーティン 9位「アンダーニース・ザ・ツリー」ケリー・クラークソン 10位「ザ・クリスマス・ソング」ナット・キング・コール