1泊240万円スイートが実質0円に…ポイントで「月イチ海外」を続ける会社員愛用"最強クレカ"のウラ技
■他のブランドと併用してお金も時間もさらに節約 家族3人でハワイに5泊した場合、通常であれば50万円以上はかかってしまうと思うんですが、私たちは10万円かからない程度で済んでいます。内訳は、まず飛行機はマイルで、宿泊代はポイント予約するので支払いはありません。とくにびっくりするのが、先ほども話したMBAカードのポイントで5泊予約をすると、1泊無料でついてくるので、実質4泊分のポイント消費で済むことです。 そのほかは、空港使用料とリゾート税がどちらも2万円ほど。そして食費は1日6000円ほどです。現地での移動費もありますが、JCBカードを持っていればワイキキトロリー(ピンクライン)が無料になるので活用していますし、楽天カードがあれば現地で無料のラウンジを使えて、キッズスペースやベビーカーも使えるので重宝しています。複数のカードブランドを持っていくことで、快適かつお得に旅行することができるんです。 こんなこともありました。以前サウジアラビアに行った際に、ポイントを利用して、通常であれば8万円するリッツ カールトンに泊まったんです。すると、ホテルのフロントの方が日本人の宿泊客を珍しがって、空いていた120万円のスイートルームを2部屋用意してくれたことがあったんです。夫の両親も連れてきていたんですが、それでも持て余すぐらいの部屋があって、ポイントで240万円分の部屋に泊まることができたのは今振り返っても衝撃的でした。 子連れで海外旅行に行く際、子どもが飛行機で大泣きしてしまうという懸念があります。ただ、息子はフランスやサウジアラビアなど15時間近い長時間フライトでも泣かずに「もっと乗りたかった」と言うくらい乗り物好きです。おそらくそれは、旅行が好きになってほしくて、普段から飛行機が見える公園に遊びに連れて行くなど工夫したことが大きいと思います。 いま、義父ががん闘病中なんですが、本人が弱気になることもあったので、ポイントを利用してファンである大谷翔平選手の試合を見にロサンゼルスに連れて行ったんです。義父は病のこともあって渡米を渋っていたんですが、現地で観戦した試合で大谷選手がホームランを打ちました。 ホームランを間近で見た義父は「俺だってロサンゼルスに行けるくらい元気なんだ!」と、生きる希望を見出したんです。その姿を見た息子も、「じいじ(義父)も頑張って、また大谷選手を見に行こうね」と子どもながらにそんなことを言っていて……。もともと息子は引っ込み思案だったんですが、違う言語に触れて、違う国の子と仲良くなったり、海外旅行を通じて視野がどんどん広くなっていることを実感しています。 最近は、旅行先で撮った動画を「Instagram」にアップするようになりました。力を入れて投稿を続けていたら、海外のホテルや美容クリニックなどから案件が来るようになって、旅費は無料かつ、レポートを書いてお金をもらえるというケースもあり、旅行好きにとっては本当にありがたいお話も増えてきました。今後も会社員としての軸を持ちつつも、ポイントを活用して「一生の趣味」には影響が出ないよう働いていけたらと思っています。 ※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年11月15日号)の一部を再編集したものです。 ---------- 窪 咲子(くぼ・さきこ) 編集・トラベルライター アイドル誌編集を経て、旅行ライターとして活動しながら1年8カ月の世界一周の旅へ。これまでに訪れた国は81カ国。バックパッカー時代の経験をもとにマイルやお得情報を駆使して、現在は6歳の息子と家族で月イチ海外旅行を楽しむ様子を発信中。 ----------
編集・トラベルライター 窪 咲子 構成=東田俊介 写真=本人提供