世界的にも貴重な固有種・適応王者「ギンケンソウ」大阪で展示
世界的にも貴重な固有種・適応王者「ギンケンソウ」大阪で展示 撮影・編集:岡村雅之
厳しい環境と向き合い、さまざまに姿を変えながら生き抜いてきたハワイの植物「ギンケンソウ」。専門家たちは拡散・適応・進化の王者と呼ぶ。世界的にも貴重な固有種が、大阪市鶴見区の咲くやこの花館で栽培展示されている。いのちの源泉ともいえる適応力。ギンケンソウのたくましい適応力はどのようにして生まれたのか。 【拡大写真付き】危険なアリ「ヒアリ」尼崎で国内初の確認 環境省が緊急調査
常夏の楽園ハワイに高山植物?
ギンケンソウをテーマにハワイの自然を考えるセミナーが、咲くやこの花館で開かれた。25日まで開かれている「ハワイの植物展」の一環だ。ハワイ文化研究家のカンブラゆうこさんと久山敦館長が講師を務めた。 カンブラさんはハワイアンダンスやハワイアンキルトのクム(指導者)を務め、ハワイの自然や伝統文化に関する造詣が深い。 ハワイと日本を行き来しながら活動し、ハワイ文化の情報発信や交流促進に力を注ぐ。カンブラさんによると、日本ではハワイの伝統的ダンスはフラダンスの呼称で親しまれてきたが、ハワイの言葉ではフラは「踊り」そのものを指すため、フラダンスではなくフラと呼ぶのが一般的という。身近なことからハワイの正しい理解につなげたい。 日本人にとって、ハワイは常夏の楽園的イメージが強いが、ハワイの地理的な特性が、ギンケンソウの独自の進化を引き出した。カンブラさんはハワイ諸島の際立つ個性を次のように指摘する。「火山の噴火で生まれて以来、大陸と陸続きになったことがない」「どの陸地からも遠く離れた太平洋の中央部に位置する」「小さな島々で構成されていながら、そそりたつ高山があるため、熱帯から寒帯まで世界の大半の気候区分を持ったミニ大陸的要素が強い」などだ。 カンブラさんはギンケンソウが自生する標高3000メートル級の高地へ向かうドライブ小旅行の写真を示しながら、ギンケンソウの生態を紹介する。1時間半ほどのドライブで目指す高地に到着。カンブラさんは眼下に雲を見下ろす寒くて乾燥した荒地で、ギンケンソウが懸命に葉を茂らす様子を報告した。