熟練の技でストライク連発“全盲のボウリング選手” 世界選手権銅メダリストは教師との二刀流 教え子は「ボウリングはひとつの居場所」【news23】
ピンが倒れる音と投げた感覚を頼りにストライクを連発する“全盲のボウリング選手”青松利明さん。視覚特別支援学校で教壇に立つ傍ら、視覚障害者ボウリングの世界選手権で銅メダルを獲得。「社会と繋がるツール」だと語るボウリングの魅力を喜入友浩キャスターが取材しました。 【写真を見る】熟練の技でストライク連発“全盲のボウリング選手” 世界選手権銅メダリストは教師との二刀流 教え子は「ボウリングはひとつの居場所」【news23】 ■ピンに当たったときの音、投げた感覚で…見えなくてもストライク 家族とともにボウリングを楽しむ、青松利明さん(54)。 青松利明さん 「私は全盲なので全く見えていません。ボールがピンに当たったときの音、あとは自分が投げた感覚で、ピンがどんなふうに倒れたのかは、ある程度想像がつきます」 ――ピンの残り方はどう推測されますか? 「鈍い音がしたので、多分1番ピンに横からではなく正面から当たったんじゃないかなと思っています。そういう場合は、少し右側のピンが残ってるかなと思っています」 投げる方向は“ガイドレール”と呼ばれる手すりで確認しています。 青松さん 「そっと触れながら進んでいくだけですが、これがないと安心して投げることができないです」 中学生のときに参加したイベントがきっかけで始めたボウリング。ベストスコアは200点を超えます。 青松さん 「他のことは全然何も考えずにボールをピンに当てることだけを考えられる時間なので、とても爽快な感じです」 ■教師とボウラーの二刀流 自らの社会経験を生徒へ 視覚に障害のある生徒が通う都内の特別支援学校で、青松さんは社会科の教師をしています。 青松さんは生まれつきの目の病気で、中学生のときに完全に視力を失いました。 青松さん 「見えている状態というのがよく分からないので、これを障害と思うかというと、特に思っていない。人それぞれ得意・不得意とかそういうものもいろいろあると思うんですけど、それと同じように社会の中で適応してくかということは、常に考える必要があると思っています」 大学卒業後は一般企業でシステムエンジニアをしていました。教師になろうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。