シャッター街、8年で「移住者が活躍する商店街」に! 20店舗オープンでにぎわう 六日町通り商店街・宮城県栗原市
地域おこし協力隊、移住定住コーディネーターらが道を拡げた
地方のシャッター商店街の増加が問題になる中、六日町通り商店街は、仙台圏や首都圏から移住して新規開業した店舗が2015年以降8年間で20店舗ほどと活況だ。中小企業庁が選定する「はばたく商店街30選 2021」にも選ばれた。 特筆すべきは、「移住者が開業しやすいまちづくり」をしている点だ。どのようにして、六日町通り商店街は復活を遂げたのだろう。 最初に六日町通り商店街を盛り上げたキーパーソンは、『cafe かいめんこや』の杉浦風ノ介(すぎうら かぜのすけ) さん。京都府京都市から栗原市に移住後、六日町通り商店街に明治中頃からあった建物を改装して2015年に『cafe かいめんこや』をオープン。
「六日町通りには、街の人が話をしたり、相談したりできる場所がなく、ハブになるような場所が必要だと思い、カフェを開きました」と話す。オープン後、少しずつカフェに集う人が増えてコミュニティの場になり、人がまばらだった商店街に変化が生まれた。
杉浦さんは、移住定住コーディネーターとして、栗原市の定住戦略室から紹介された移住検討者やカフェのお客さんに、移住しお店を開業した先輩、生活者の視点で相談にも応じている。さらには、2019年に地域おこし協力隊のメンバーと、まちづくり会社「六日町合同会社」を設立し、移住者が開業しやすいまちづくりに取り組んでいる。 毎月6日には、食べ物、飲み物を持ち寄りで集まり、ゲストスピーカーの話を聞くイベント『六日知らず』を主催。移住検討者の話を聞き、お店を始めたい人に、商店街の空き店舗を紹介している。
「地方の商店街がにぎわうために必要なものは、『何でもできそうだ』という思い込みや、自由な気質、『楽しそうなまちだな』と思わせるイリュージョンマジックのようなものかな。 商売を始めるなら稼げる首都圏でと考える人は多くても、地方で始めようと考える人は少ないかもしれません。私は画一化されていく世の中が好きじゃなくて、同じ考えの人は他にもいると思います。東京ほど稼げる場所ではないかもしれませんが、家族と暮らしていくには十分で、やり方次第ではもっと稼げると思います。 『自由に切り拓きたい、面白いことをやりたい』人たちが100人でも集まってきて、面白いまちになればいいですね。 キーパーソンだって、一人じゃなく、いろいろな人が何人もいることが大事。これからは次代を引っ張っていく若い世代の人たちが活躍しやすい環境をつくっていきたいと思っています」
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