宮崎市で自転車ヘルメット着用を高次脳機能障害当事者らが呼びかけ…「かぶっていたら無傷だった可能性も」
自転車利用時のヘルメット着用を呼びかけるキャンペーンが宮崎市中心部で行われ、高次脳機能障害の当事者や家族でつくる家族会の会員が警察官らとともに参加した。交通事故に遭うことで生じる恐れもあるといい、会員らは着用の重要性を通行人に訴えた。(石原拓海) 【写真】ヘルメット買えず自転車通学諦めた男子生徒に出会い…老舗自転車店主が店内の9個寄贈
高次脳機能障害は脳梗塞やけがによる脳損傷などが原因で言語や記憶、注意、感情の制御などがうまくできなくなるとされる。
キャンペーンは昨年4月施行の改正道路交通法で努力義務となった自転車のヘルメット着用を呼びかけ、交通死亡事故や高次脳機能障害を防ごうと、「みやざき高次脳機能障がい家族会あかり」が宮崎県警宮崎北署の協力を得て企画。21日に宮崎山形屋前で行い、「ヘルメットは自分の未来を守るため」と記したチラシや、頭のけがや脳卒中を患った後に「物忘れが多くなった」「やる気が出なくなった」といった症状が出た場合、相談窓口の利用を勧める高次脳機能障害についてのチラシを配った。
参加した会員の橋本佳代子さん(48)(宮崎市)は高校2年生の時、自転車に乗っていて、車にはねられた経験がある。約4か月間、意識不明だったという。
意識が戻った後には、記憶力や学力の低下に悩まされた。「ヘルメットをかぶっていたら無傷だった可能性もある。特にこれからの人生が長い10歳代の若者や学生にはヘルメットを着用してもらいたい」と語った。
家族会の飛田洋会長(71)は「命が助かっても、他人の目に見えない障害を抱えて生きていくのは苦しい。周りの理解が大切なので、高次脳機能障害のことを多くの人に知ってほしい」と話していた。