森田健作が泰日アジア・オンライン大の学長に 「タイと腕を組んで、青春ドラマのように一緒に走りたい」
前千葉県知事で俳優、森田健作(74)が、来年4月の開校を目指す泰日アジア・オンライン大の学長に任命され、今月中旬に拠点となるタイを訪れた。優秀なIT人材の養成を目的に両国の若者が通信教育でともに学ぶ大学で、日本初の試み。連携が決まったバンコクの泰日工業大の客員教授にも就任し、現地で辞令を受けたモリケンは「タイと腕を組んで、青春ドラマのように一緒に走りたい」と心強い仲間に感謝した。 高層ビルと森が共生する熱帯の都市に降り立った森田は「日本とタイの若い人のために汗を流したい」と宣言。スーツを汗だくにして〝教育行脚〟した。 日本と海外の若者が通信教育でITやAIをともに学ぶ泰日アジア・オンライン大は、日系企業で働く優秀な人材育成を目指す大学。岡山理科大が新設する通信学部とバンコクの泰日工業大(TNI)とその系列であるパンヤピワット経営大(PIM)が連携する形で来年4月の開校を進めており、日本では初となる。 昨年3月に両大を訪れ、オンライン大への協力を要請したモリケンは、今月中旬に学長となって再訪。前回のPIMに続き、TNIの客員教授も任されることになり、今回の連携について「知事時代、日本の企業が少子化で人手不足になっていることを実感した。IT関係が厳しい中、タイの頭脳をお借りして一緒にアジアのリーダー国になっていけたら」と説明。「やる気のあるアジアの若者を募りたい」と呼びかけた。 森田と言えば、1971年の主演ドラマ「おれは男だ!」が当時タイでも放送。「剣道」の題名で大人気を博し、同国のシリントーン王女が熱烈なファンであることは有名だ。千葉県知事としては特産品のトップセールスで3度訪問するなど53年の友好も今回の連携を後押ししており、その感謝を伝えるべく、両大で講演を行った。 聴衆を前に「私は研究者でも学者でもないので、教科書には載っていない生きるために経験したことを伝えたい。重要なのはタイの若者が日本に関心を持ち、もっと好きになってもらうこと。そのために私の知名度を利用していただくのは光栄。笑顔で俺と一緒にやろうじゃないか」と呼びかけた。夕方にはファンミーティングも開き、恩返しで代表曲「さらば涙と言おう」を熱唱した。 また、少年時代に恩師から「転校生と友達になる〝友達係〟として学級委員になれ」と指名された秘話も披露し、「学長も両国の若者を結ぶ友達係のような気持ちで頑張りたい」と意欲。街が暮れていく中、アジアの架け橋として奮闘することをバンコクの夕日に誓った。(大塚美奈)