桐朋高の森井翔太郎

　投打二刀流の逸材として注目を集める森井翔太郎内野手（東京・桐朋高3年、17歳）の米大リーグ（MLB）アスレチックス入りが有力となっていることが7日、関係者への取材で分かった。 　ア軍は外国人選手獲得に必要な「インターナショナル・プール」の潤沢な資金を持ち合わせており、交渉を優位に進めているとみられる。MLB7球団以上が関わる争奪戦になっていたが、獲得に動いていた名門カージナルスが諸事情のため撤退するなど、情勢はア軍有利になっている。 　森井はもともとメジャー志向が強かった。今月上旬には両親とともに渡米し、MLB球団のキャンプ施設、マイナー、メジャーの試合を見学。帰国後には、大学や日本のプロ野球（NPB）を経由せずには直接MLB球団と契約することを決めていた。もしNPB入りを選んでいれば、24日のドラフト会議では3位前後の指名が予想されていた。 　MLB球団にとって森井は外国の選手となるため、ドラフト指名をへずに直接契約できる。その際に球団側は上限のあるインターナショナル・プールから獲得資金を出す。契約に至れば、森井はその球団傘下のマイナー組織でキャリアをスタートし、メジャーを目指すことになる。 　森井は184センチ、88キロ。投手として最速153キロを投げ、打者として高校通算45本塁打を放っている。中高一貫教育の桐朋では野球部に所属し、高校最後の大会だった今夏は西東京大会で初戦敗退した。 　桐朋高は東京都でも屈指の進学校。同校のホームページによれば今年は現役、浪人を合わせて東大の12人など国公立大に131人、慶大に86人、早大に69人が合格している。 　▼アスレチックス　1901年創設。68年から米カリフォルニア州、サンフランシスコと湾を挟んで対岸に位置するオークランドを本拠地とする。ワールドシリーズ3連覇など世界一4度。過去には藪恵壹、岩村明憲、松井秀喜、岡島秀樹、藤浪晋太郎と日本人選手が多くプレー。傘下マイナーには中島宏之（現中日）が在籍した。今季限りでの本拠地移転が決まっており、来年から3シーズンは同州のサクラメントにある傘下3A球団の施設を使う。その後はネバダ州ラスベガスに移る方針が示されており、地元からは受け入れ反対の声も上がっている。