【虎になれ】そして誰もいなくなった…? 2カ月近くも火曜に勝てない岡田阪神の苦しさ
<日本生命セ・パ交流戦:阪神1-3楽天>◇4日◇甲子園 思い出すのは大山悠輔が初めてスタメンから外れた5月16日中日戦(バンテリンドーム)だ。その試合後、指揮官・岡田彰布は「(ボールにバットが)当たれへんもんな」と指摘した。だが翌17日のヤクルト戦(甲子園)では4番で起用。大山もなんとか2安打を放ち、これにこたえた。 そのとき指揮官はこんな話をしている。「ちゃんと早よ来て室内で打ったりしたら、ちゃんとエエ結果が出るよ。そら本人が一番苦しんでると思うよ。ヒット出えへんのは。でも、やることちゃんとやってたら、やっぱり出るやん」。笑顔はなかったが人情家らしい言い回しで喜んだものだ。 だが現実は厳しい。大山は不振から脱出することはできず、この日、再びスタメンから姿を消した。その間の成績は14試合で52打数9安打。打率1割7分3厘まで落ち込んでいる。常に全力疾走などの姿勢を見せるが、これでは4番を任せることはできない。岡田も苦渋の決断だ。 それでも前回は代役の原口文仁が3ランを放つなど試合に勝った。だがこの日はチームに結果も出ない。代わりに4番に入っている近本光司は4打数無安打。3番・森下翔太が適時三塁打を放ち、1点は奪ったがそれだけ。打線の湿りっぷりは相変わらずで、延長戦の末の敗戦となった。 また火曜に勝てなかったことも、正直、気になる。先週5月28日の日本ハム戦の雨天中止を挟んで、これで4連敗だ。4月30日の広島戦(マツダスタジアム)では勝っているが、ここはGW中で同29日がカードあたまだった。その試合は雨で流している。 その前の4月23日DeNA戦(横浜)、さらに同16日巨人戦(甲子園)は2週続けて引き分け。“純粋”にカードあたまの火曜を取ったのは同9日の広島戦(同)までさかのぼり、実に2カ月近くも勝っていない。 そこにどれだけ大きな意味があるのかは分からないけれど、基本、プロ野球での火曜は1週間のチーム状態を占う大事なゲームとされる。そんな日でこれだけ勝てていない現実は今季の苦境を物語っている。 10回裏、大山が代打に出るために待っていたが中野拓夢が三振し、まわらなかった。そして衝撃的とも言える「大山2軍」の岡田発言。さらにゲラのファーム行きも決まった。いよいよ佐藤輝、ノイジーを呼ぶか。交流戦、まだ1勝。阪神はもがき苦しんでいる。(敬称略) 【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)