877円で庶民の贅沢の最高峰!吉野家「牛すき鍋膳」で飲む幸せ。ただ”唯一注意すべき”なのは
どう食べてもうまい
まずは牛肉をそのまま食べてみる。薄切りで、肉と脂のバランスがちょうど良く、独特のふわふわとした食感のある吉野家の肉。そこに絡むのは、甘みとクリーミーさ、塩気とスパイシーさなどがそれぞれに際立ったカレースープ。う、うめぇ……。 当然、いろんな野菜と肉を組み合わせながらや、それをおかずにごはん。そこに甘辛味のついたねぎをのせてみてもこれまた良く、うどんもたまらない。カレー味の肉の生玉子つけ食べも抜群だった。どこをどう食べてもビールがすすみ、ずっと熱々。なんて楽しい食事なんだ。
ここからは後半戦に突入
さて、鍋の具材、ごはん、使いきらないように気をつけておいた生玉子やねぎなど、すべてが半分くらい残るように食べすすめたら、後半戦。日本酒タイムに突入だ。 それにあたり、僕はこれから、全ての具材をメインの鍋に集結させてしまう。つまり、後半は“牛すきカレーおじや”として楽しんでしまおうというわけだ。 鍋に米を加えてさっと混ぜ、玉子を回しかけ、仕上げにねぎ。これは、どう考えても間違いないだろう。 ただでさえ完成形だったカレー味のスープに、いろんな具材から旨味が出まくっている。クリーミーなまろやかさが玉子によってさらに増している。それを白米が受け止める。完璧だ。完璧としかいいようがない。これが、素直なうまさの日本酒とよく合う。
唯一注意すべきだと思ったのは
ひとつだけ、強いて注意しておきたいポイントをあげるとすれば、吉野家で使われている固形燃料は、燃焼時間が少し短めのもののようだ。食事時間を考慮すればそれは当然のことながら、おじやをしっかり目にぐつぐつと煮込みたい方におかれましては、少し“巻き”で後半に突入することを提案しておきたい。 以上、ちょっと度を超えて幸せすぎてしまった、吉野家の牛すき鍋膳飲み。あらためて各メニューの値段を見ると、幸福さとリーズナブルさの割合が、とても釣り合っていない気すらする。 冬の間に、次こそはオーソドックスな牛すき鍋のほうも味わっておきたいし、まだ東京を中心に数店舗しかないようだけど、カレーうどんの千吉にも必ず行ってみたい。 <TEXT/パリッコ> 【パリッコ】 1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco
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