「日本の未来は暗い」を疑え。コクヨ・バンダイに学ぶ“既存の枠”を壊す発想
課題は企業の「寛容さ」
玩具メーカーやコクヨの「SAUNABU(サウナブ)」の事例を見て、「ボーダーレス」ビジネスの可能性を感じることができたたと思うが、実はそこには重要な課題もある。 それは、「ボーダーレス」を推進するには、企業および日本社会が、これまで以上に「寛容」になる必要がある、ということだ。 これまでの枠を壊すというのは、もしも経営者が寛容でなければ「ふざけている」「公私混同である」などを理由に、その芽が摘み取られてしまう可能性が高い。 コクヨがサウナブランドを立ち上げることができたのも、恐らく、何かしらの寛容な社風があったからではないか。 人口減少や国際競争力低下に対抗する手段として、「DX」や「イノベーション」などが「真面目に」議論されている昨今だが、公私混同も容認する程の「寛容さ」、「(真面目に)ふざける」ことを奨励するような心の余裕のようなものこそが、「ボーダーレス」を促進し、日本経済を盛り上げるのではないだろうか。
松島勝人