<私の恩人>城田優 開花したのは“山P”の言葉のおかげ
190cmの長身をさらに大きく見せる存在感で、ミュージカルスターとしての道を力強く歩む俳優の城田優さん(28)。ミュージカル「ファントム」(東京・赤坂ACTシアター13日~29日、大阪・梅田劇術劇場メインホール10月5日~15日)でも主演を務め、さらなる高みを目指します。仕事に恵まれなかった十代の頃から今にいたるまで、変わることなく共に歩んできたのが、高校の同級生・山下智久さんだと言います。 大人になればなるほど、プライベートから仲良くなるって、なかなかないですよね。もちろん、仕事を通じてプライベートでも仲良くなることはあっても、それはあくまでも仕事からの仲間。そんな中、どこまでいっても、根っこが同級生、友達というのが山下智久なんです。高校1年から3年までずっと一緒で、クラスでも一番仲が良かった。根本がそこという関係は、今になって思うと、本当に貴重なことだなって思うんです。 高校1年でクラスメートになった時から、彼は一般的な知名度もありましたし、僕もテレビで見ていて、最初は「お、山Pだ!!」という感じでした。ただ、山下が人気者うんぬんということではなく、事実として、同い年ながら仕事のレベルで言うと僕のずっと先を行ってましたし、僕の知らない世界もたくさん知っていた。話をしていて実に興味深かったんです。山下は山下で、後から聞くと、僕のことをすごく優しい人間と感じてくれたみたいで、最初から本当にずっと一緒でした。 2人でカラオケに行くのは日常茶飯事でしたし、4月9日が彼の誕生日なんですけど、完全なる思いつきで、もう1人の友達と3人で海に行って、僕と山下で飛び込んで、あまりに寒くて心臓発作になりかけたり…(笑)。帰るのも一緒。遅刻して学校に来る時も一緒。そんな具合なんで、同級生の間では「あいつら、デキてるんじゃないの…?」という噂まで立ってましたからね(笑)。 また、学校が堀越高校だったんで、同じようにこういう世界を目指している人が多かったんですけど、その中でも、山下は特に仕事が忙しくて、なかなか学校に来られない。かたや、僕は仕事が全然なくて、とてもしっかりと勉強してたので(笑)、テストの前日は山下が僕の家に泊まり込んで勉強したりもしてました。 それはそれで楽しかったんですけど、それだけ学校に通えているということが、その環境だと辛くもあるんですよね。オーディションも受からないし、まったく先が見えない。…今から思うと、完全に自暴自棄になっていて、人生で一番しんどい時期が高校時代でもあったんです。