華やかなニュースは、無意識のうちにストレスとなることも。“春ならでは”の不調には、東洋医学の“腎気”を高めて体力増進を
寒暖差が激しいこの時期は、体調を崩しやすくなります。早めに対策して、長引かせないようにしたいところ。東洋医学の観点から不調に負けない体をつくるコツを聞きました (イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》) * * * * * * * ◆激しい気温の変化は大きなストレス 三寒四温といわれるように、春はポカポカ陽気と肌寒さが交互にやってきて、服装選びに悩まされます。昼夜の気温差が15度以上になる日もあり、思わず「体がついていかない」とつぶやきたくなることも。 「激しい気温の変化は、体にとって大きなストレスになります。体温を一定に保つよう調整している自律神経が乱れるため、のぼせやめまい、頭痛、立ちくらみなどの不調を起こしやすくなるのです」。 そう説明するのは、女性のヘルスケアに詳しい漢方専門医の森裕紀子先生。 うららかな陽気に誘われて、会食や旅行など外出の機会もおのずと増えていくことでしょう。その一方で、十分な休息がとれず疲れを溜め込んでしまったり、がんばりすぎた反動で急に体調を崩したりするケースも出てきます。
◆“腎気”を高めて体力増進 「華やかな話題があふれる時期でもあります。進学や就職にまつわるニュースや、知人・友人のお祝いごとの知らせなどに触れることで、気持ちが高揚するもの。その反動で自分の日常がさみしく感じ、無意識のうちにストレスとなって不眠やうつ症状を引き起こすこともあります」(森先生。以下同) こうした“春ならでは”の不調には、東洋医学でいう“腎気”を高めて体力増進を図って、と森先生。 「東洋医学では、“腎”が生命力や体力の維持を担っていると考え、そのエネルギーを“腎気”と呼びます。腎気が衰えると気力や体力が低下するため、環境変化の影響を受けやすくなる。腎気を高めるうえで大切なのが、食事・睡眠・運動の3つの生活習慣を整える“養生”。江戸時代に著された貝原益軒の『養生訓』に、“人生で一番大事なこと”と記されているほどです」
森裕紀子
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