情報教育の現場から最新の知見が集まる――New Education Expo 2024
先進自治体や学校の生成AI導入事例を数多く紹介
セミナー「生成AIを学校で活用しよう」では、生成AIを授業に取り込む先進校での取り組みについて、多くの事例が紹介された。コーディネーターである甲府市教育委員会 山主公彦氏のスピーチから始まり、甲府市教育委員会が実施したアンケート結果を紹介。97%の教員が生成AIによる校務の改善を期待しているという。また、授業改善に対する期待度も72%と高く、山主氏は「たくさんの場面で活用できるのではと考えている」と生成AIへの期待をあらわにした。 続いて本編に入り、自治体や学校での生成AIの活用や、リーディングDXスクールの生成AIパイロット校の取り組みが紹介された。最初に登壇したのは久喜市教育委員会指導課主幹 兼 室長の山本純氏だ。同市では「誰一人取り残さない教育の実現」を目指し、教職員の校務利用、生成AIパイロット校における活用、パイロット校以外における活用に取り組んでいる。 教職員の校務利用においては、まずワーキンググループを組織してガイドラインを作成。市内の教職員に向けた研修会を実施。管理者の理解が必要という観点から、校長会において体験ミニ研修なども実施した。2023年12月の調査では、校務に生成AIを活用している割合が全国平均をはるかに上回ったという。 授業への活用でまず必要なのが保護者の理解と協力だ。久喜市では生成AIの導入前に保護者向けの説明会や承諾書の取得を行った。保護者の不安を解消することが、生成AIの教育を進める上で大切だという。 続いて久喜市内の学校の授業の具体例が紹介された。中学校の国語の授業で「ことわざを時代に合わせて変化させるべきか」というコラムを生成AIに読み込んで否定的な立場の要約を作らせ、それに対して肯定的な意見を作文する、といった授業を行った。技術科の授業では、生成AIによる顔認証使ったプログラミングの体験などの先進的な例も披露された。