「そんな非常識な人いるんだ」 救急車要請でクレーム、「バカ」暴言も…救急救命士が明かす壮絶現場
「救急車は限りある資源」 現場の痛切な訴え
冬場は何かと体調を崩しがちになる。年の瀬が近付いてきて、気を付けたいところ、生活上の注意点はどんなことなのか。 「冬に増える病態としては、高齢者の一過性意識消失が毎年多くなります。室内と外での気温差が高くなり、血圧の調整がうまくいかずに一時的に血圧が低下してしまう状態のことを言います。ヒートショックと似たようなものとなります。他にもやはり循環器系の疾患である心筋梗塞や心不全、脳梗塞なども冬場に引き起こされることの多い疾患となります」 冬到来と共に救急救命士の困り事も増えていくといい、「寒さがピークを迎えるにつれ救急要請の件数も増加の一途をたどります。その結果として救急隊の数が足りなくなり、特に重症度や緊急度の高い方への接触が遅れてしまうことです」。 より多くの命を救うため、よりスムーズで的確な救急救命実現のため、この救急救命士は「お願いしたいこと」について言葉に力を込める。 まず、「救急車は限りある資源であり、適切な運用ができなければ助けられたはずの命を手放してしまうことになります。それは救急病院でも同じで、軽症者が多く押し寄せると医師の手が空かなくなり、結果として受入拒否、いわゆる『たらい回し』が毎年発生します。真冬の救急医療は救急隊も救急病院も戦場さながらです」と、ひっ迫した現場の実態をあらためて強調。 そのうえで、「歩行可能で自力受診ができる方は、近所の医院やかかりつけの病院へ適切に受診していただくこと、自力で病院へ行っていただければと思います。受診の判断に迷った時は、#7119や各地自体の救急相談窓口を利用することができます。時間外でも利用可能です。できれば夜間診療や自力での救急外来受診をお願いしたいと思います。ただし、激しい頭痛や胸痛、手足のまひやしびれは一刻を争う場合があるのでちゅうちょすることなく救急要請をしていただきたいです。その他にも年末年始は宴席が増えるため、くれぐれも飲み過ぎに注意してほしいです」とメッセージを寄せた。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム