【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…9月第2週の「米国経済」の動き
不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな、先週の米国経済の動きについて、東京海上アセットマネジメントが解説します。 【画像】「30年間、毎月1ドルずつ」積み立て投資をすると…
コアCPIは根強いインフレ圧⼒…⼤幅な利下げ観測が後退
⽶労働省が公表した2024年8⽉の消費者物価指数(以下、CPI)は、前年⽐+2.5%、7⽉(同+2.9%)から伸びが⼤きく鈍化し、2021年2⽉以来の低い伸びとなりました(図表1)。 ⾷料品(7⽉:前年⽐+2.2%→8⽉:同+2.1%)の伸びがほぼ横ばいとなるなか、エネルギー(7⽉:前年⽐+1.1%→8⽉:同▲4.0%)が下落に転じたことが、CPIを⼤きく押し下げました。 ⼀⽅、変動の⼤きい⾷料品およびエネルギーを除くコアCPIについては、前年⽐+3.2%(7⽉:同+3.2%)と、インフレ圧⼒の根強さが⽰されました。サービス、特にウェイトの⼤きい住宅関連(7⽉、8⽉:前年⽐+4.4%)が、コアCPIを⾼⽌まりさせる要因となっています。 コアCPIについて、瞬間⾵速を映す前⽉⽐でみると、+0.28%と0.2%台であるものの、4⽉(+0.29%)以来の伸びを⽰し、インフレ圧⼒が完全に解消されていないことが⽰されました(図表2)。 また、FRBが注⽬する基調的なモメンタムを⽰す6ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+2.84%→8⽉:+2.68%)の伸びは鈍化したものの、3ヵ⽉前⽐年率値(7⽉:+1.58%→8⽉:+2.06%)は反発した格好となっています。 コアCPIの内訳をみると、コア財は前⽉⽐▲0.17%と7⽉(同▲0.32%)から下落幅を縮⼩させたものの、6ヵ⽉連続のマイナスとなっており、インフレ沈静化の動きが継続していることを⽰唆しています(図表3)。 品⽬別では、家庭⽤品(前⽉⽐▲0.27%)や娯楽⽤品(同▲0.23%)などがマイナスとなったほか、⾐料品(同+0.26%)、新⾞(同+0.05%)はプラスに転じたものの、均してみれば下落傾向にあります。