18歳以下「美容加工フィルターの使用禁止」をTikTokが発表。若者の“精神衛生に有害”だとの声も
美容加工フィルターが若者のメンタルヘルスに非常に悪影響を及ぼすことが研究から明らかになり、近年ソーシャルメディア企業に変更を求める声が多くあがっていた。そして、ようやく一部企業で聞き入れられることになったようだ。12月上旬、中国のインターネット企業ByteDance社が所有するTikTokが、「18歳以下の美容加工フィルター使用を禁止する」と発表したのだ。 【写真】やっぱり加工はやめられない? フォロワー数3億人越えの超有名セレブ(44)、投稿した写真が「細すぎる」「ニセモノ」と話題になった1枚 最近の美容加工フィルターといえば、唇のサイズを大きくしたり、目の形を変えたり、肌をなめらかににしたり、色を変えることまでできる。今回禁止されるフィルターのなかには、劇的に顔立ちを変えると物議を醸している“Bold Glampour”などの加工フィルターも適用される。動物の耳や犬の鼻をつけたりするコミックフィルターは禁止の対象外となる。 TikTokの公共秩序&政府関係部長クリスティン・グラーンは同社の欧州安全性フォーラムでこの変更について次のように述べた。 「新しく開設した当社の透明性&アカウンタビリティー・センターにメディアと外部専門家の方々を迎え、コミュニティとデータの安全性、セキュリティをさらに強化するために、業界の垣根を超えた対話をいかに行なっていくかについて発表を行いました」グラーンはフォーラムの後、「コミュニティを安全に守ることが私たちの優先事項」だとも強調している。 「ソーシャルメディアの使用」と「自分のボディに対する自信のなさ」の関係を浮き彫りにした研究から、低年齢のうちから特定の外見にならなければというプレッシャーがあることが、長期にわたる不安感や非現実的な美への期待につながると判明している。今や、少女の約半数が、年齢を重ねるにつれて、自分の外見により不安を抱くようになると見られている。 特に美容フィルターに関して、美容ブランド、ダヴ(Dove)が行った調査では、少女の38%が、自分はインフルエンサーがSNSで発信する美の基準を満たすことができないと考えていることが判明。13歳までにフィルターや加工アプリを使って外見を変えたことがあると答えた少女は80%にも上った。最も懸念されるのは、日常的に写真を加工していると答えた少女の48%が自分のボディに対する自己評価が低く、写真を加工しないと答えた少女たちと比べて28%高いことだ。 デジタル世界における子どもの権利のために活動する国際的NGO、5Rightsの調査からも、11歳~21歳の少女の34%が加工なしでは写真を投稿しないことがわかっている。 ネットにおける子どもの安全性専門家のジェシカ・シャルマースは、今回の変更は間違いなく正しい方向への第一歩だと言う。「美容加工フィルターを使わないことが標準になり、少女たちがフィルターのないSNSに慣れるといいのですが」。 しかし彼女は、13歳以下のユーザー数を減らすという観点から見た場合に、新たな年齢制限がどう機能するのかを、TikTokは明確にする必要があるとも述べた。 TikTokは13歳以下のユーザーをブロックするための制御を増やしていると発表しており、イギリスの何千人もの子どもがTikTokを使用できなくなることが見込まれている。TikTokは2025年になる前に、AIを使って年齢制限をごまかす人を検知する新たな自動システムを試験的に導入するとしている。
From Woman's Health