「完全にゲームが変わった」 指導者の暗殺に怒ったイランのイスラエル攻撃で、これから何が“始まる”のか
■石油施設が標的にされたらどうなるか イスラエルが石油関連施設を標的に報復を実施すれば、イランとしてはさらなる報復を検討せざるを得ないだろう。イランは今回の攻撃で、3カ所のイスラエル軍基地とヒズボラ暗殺作戦が練られたとされる商都テルアビブ郊外にあるモサドの本部を狙っている。イランのミサイルが正確に標的を狙える能力に欠ける上、イスラエルの世界最高水準の防空システムが効力を発揮し、被害は限定的だった。
イランは、民間施設を狙わないという「レッドライン」を越えていないが、イスラエルがイランの石油関連施設に大規模な報復攻撃を加えれば、イランによるイスラエルの都市やインフラへの攻撃も現実を帯び、報復合戦の応酬から全面的な戦争に発展する危険性が一気に高まりそうだ。
池滝 和秀 :ジャーナリスト、中東料理研究家