朝ドラ『おむすび』ギャル役で出演の寺本莉緒、洗剤CMで声優デビュー「ピョン吉は、実は私の声!」
Netflixで配信された『サンクチュアリ -聖域-』の謎めいたホステス役、今年2024年4月期放送のテレビドラマ『RoOT / ルート』(テレビ東京)では売れっ子キャバ嬢、『新宿野戦病院』(フジテレビ系)にはホス狂いのデリヘル嬢役と、ひと癖ある夜のオンナ役で話題沸騰中の寺本莉緒のTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】 ■【画像】『おむすび』出演中の寺本莉緒。初めての声優に挑戦したピョン吉の声はこちら! 中学3年生で単身上京し、芸能界に入った寺本莉緒は、仕事をしながら高校、大学へも通った。同級生たちが進路に悩んだり、就活をしているのを間近で見て、迷いがあった時期はなかったのだろうか。 「芸能界に入るとき、大学まで行くのが両親との約束だったんです。でも、ちょうど大学受験のころにミュージカルに出演することになって、受験をやめて仕事に専念しようかと思ったことがありました」 高校時代の寺本は、2017年に『屋根の上のヴァイオリン弾き』のオーディションに見事合格して四女・シュプリンツェ役で出演。舞台女優としてキャリアを重ねていた。 「広島で通っていた学校は進学校だったので、そのころの友だちは必死で勉強して、大学を目指していたんですね。それを見て、やっぱり私も頑張ろう! と一念発起して大学を受験しました。幸い合格できたのですが、実は大学を卒業したら芸能活動はやめて、普通に就職しようという考えもあったんです。みんなと一緒に就活しよう、って」 思いとどまったのは、事務所のサポートだった。 「もう少し頑張ってみよう、と就活の資料を処分しました」
出演した作品が、また新たな仕事への転機へとつながった
女優として生きることを決めたころに受けたオーディションが、出世作となった『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)。謎めいたホステス・七海役が評価され、仕事の幅が広がっていった。 そのひとつが、2023年のドラマ『THE TRUTH』(テレ東)。俳優の松田翔太が企画・主演を務め、オダギリジョー、菅田将暉が本人役で出演した作品に、寺本も本人役で出演。そして、この作品がきっかけで新しいジャンルの仕事へとつながった。 「『アリエールMiRAi』のウェブCMに出演させていただいたのですが、『THE TRUTH』の脚本を担当された高崎卓馬さんが、脚本を書かれていたんです」 ウェブCMは8分以上あるドラマ仕立てで、タイトルは『父の失敗』。寺本は大泉洋の娘役を好演しているが、実はテレビCMにも“出演”しているのだという。 「テレビCMで大泉さんと共演しているのは、アニメ『ど根性ガエル』のピョン吉なんですけど、実は私が声を担当しているんです!」 言われてみれば、かわいらしい声はまさしく寺本莉緒の声! 「最初はウェブCMだけの予定でしたが、“ピョン吉の声って、できたりします?”と聞かれて、“私でいいんですか?”と思ったのですが、“その声がいいんです!”と言っていただいて、声優デビューしました(笑)」 とは言っても、アニメ『ど根性ガエル』シリーズの放送は、1972年からの2年間と1981年からの1年半。2001年生まれの寺本は知らないと思うのだが……。 「はい、知りませんでした。声を入れてから大泉さんにはお会いしていないんですけど、次にお目にかかったら“似せる気、あるのか!?”と、苦情をいただいたいちゃうかもしれませんね(笑)」 大泉洋がどう思うかはさておき、CMを見ても気づかない人が続出するほどアニメにぴったりの声質だけに、今後は声優としてのオファーがあるかもしれない。 「いまは、いろいろなお仕事がしたいです。女優としては、さまざまなジャンルの作品に出演したいし、やったことがないような役柄にもチャレンジしたい。いつも心がけているのは“明日はどうなるかわからないのだから、毎日悔いが残らないように精一杯生きよう”ということ。ですから、もしかしたら明日はまったく違う仕事をしているかもしれません」 寺本莉緒に何度も訪れていたはずの、THE CHANGEの瞬間。しかし彼女はそれが自分のCHANGEだと意識することなく、ここまで歩んできた。そしてきっとこれからも、ポジティブに前だけを見て、寺本莉緒らしく生きていくことだろう。 寺本莉緒(てらもと・りお) 2001 年生まれ、広島県出身。主な出演作に、映画「別に、友達とかじゃない」、配信ドラマ「サンクチュアリ - 聖域 -」、ドラマ「サブスク彼女」「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」「RoOT / ルート」「新宿野戦病院」など。現在、放送中のNHK連続テレビ小説「おむすび」CM「アリエールMiRAi」出演中。趣味は野球観戦、特技はダンス、ピアノ、英語。 工藤菊香
工藤菊香