ダイハツの「ミラ イース GR SPORT コンセプト」は“こんな市販車だったらいいのにな”からできあがったターボ&MTの軽い4人乗りモデル
■ ダイハツブースではモータースポーツ車両と地域貢献の車両を展示 東京オートサロン 2025が1月10日~12日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている。 【画像】モリゾウさんの愛車として紹介されていた「タフト」。水上バイクをけん引していた ダイハツ工業は北ホールにブースを出展。モータースポーツのすそ野を広げ、走る楽しさをみんなのものにするためのエントリースポーツモデル「ミラ イース GR SPORT コンセプト」と、全日本ラリー選手権などに参戦している「ミラ イース モータースポーツ参戦車」を並べて展示。モータースポーツ車両のほかにも、地域貢献につながる車両として、災害支援のほか防災士のさばいどる・かほなんさんによるイベント活動などで活躍している「アトレー WILDRANGER2」や、Nibakoを活用した「ハイゼット トラック ツールベース」も展示されている。 ■ モータースポーツエリア モータースポーツエリアでもっとも注目されているのが、ミラ イース モータースポーツ参戦車とともに展示されているミラ イース GR SPORT コンセプトだろう。こちらは、0.66リッターエンジンをターボ化し、トランスミッションを5速MT化した「4シーターの軽量ターボMTモデル」のコンセプト車両となる。 このコンセプト車両は、D-SPORT Racing Teamからラリーに参戦しているドライバーの相原泰祐氏がD-SPORT&DAIHATSU Challenge Cupの参加者に「乗り換えるクルマがないんです。4シーターが欲しいんです」と言われたことがきっかけとなり、「いまの技術でマニュアルターボの軽い4人乗りを作ったらどうなるか」というチャレンジから「こんな市販車だったらいいのにな」ということでできあがったという。 相原氏は「ラリーカーとコンセプト車両で同じバンパーを着けているのは単にイメージでやっているのではなく、例えば、全日本ラリー選手権のラリー丹後ではミラ イース純正バンパーだと水温が上がってしまったため、バンパーを切ってGRロゴの上に穴を開けました。フロントフェンダーミラーの前には、メカニックのみんなが作業中に『ここに熱がたまっている気がする』という発想から穴を開けたところ熱が抜けました。今回展示している車両は、実はダクトの形状を見直してもっと熱が抜けるように改善しています。ラリーに参戦しながらそういった改善を現場でクルマ好きの社員みんなでアイデアを出し合いながら、肩書きや年齢ではなくてクルマを作っています」と、ラリーで得た知見を取り入れていると説明。 さらに「フロントバンパーの端の部分は下部が分割構造になっていて、当たってしまっても交換できます。横はダウンフォースを起こす形状ということで抜けた構造になっています。リアのバンパーの後ろはパラシュート効果のために抜き穴にしてます。そうすることで、燃費もよくなるし、走行抵抗も少なくなるし、浮き上がりも少なくなるし、みんなにとっていいことが起きるデザインも考えていける、チャレンジできるダイハツになりました」と話し、外観デザインに関しては「これが100点だとは思っていない」と、今後さらに改善を重ねていくとのことだった。 なお、相原氏は「ミラ イース GR SPORT コンセプトについては市販計画はございません」とはっきり言い切ったものの「BBSホイールやレカロシート、本革ステアリング、本革シフトノブは、全部238万円からのコペン GR SPORTのパーツをそのまま付けています。軽コンパクトカーに特化したダイハツだからこそ、いいパーツが流用できる。そうなると、皆さまにお買い求めいただきやすい価格のクルマを作れるんじゃなかろうか、というコンセプトです。なので、レカロシートいらないよ、逆に欲しいよ、このコンセプトいいね、とか、いろんな声をください。そういう声がわれわれの力になります。みんなで“ダイハツさん、作ってよ!”というのをやっていきましょう」と話してくれた。 ■ 地域貢献エリア 地域貢献エリアでは、防災士でYouTuberのさばいどる・かほなんさんが実際に利用しているアトレー WILDRANGER2を展示。かほなんさんいわく「災害がない方がいいのはもちろんですが、万が一のことがあったときにきちんと対応できるよう、防災グッズを入れる後方の収納棚や、サイドタープには特にこだわっています」とのこと。もともとは大型のサイドタープやラダーが付いていたというが、重くなって操安性がわるくなってしまったり、うまく活用できなかったりしたとのことで、雨をしのげて簡易的な拠点を素早く作れるサイドタープは少し小さいサイズに変更し、ラダーは取り外して軽量化するといったアップデートを重ね、常に進化させていると話してくれた。
Car Watch,編集部:北村友里恵