「103万円」の壁をめぐる2段階の攻防とは?【記者解説】
MC伊藤「税制改正大綱を年末までに取りまとめるという、議論のお尻も決まっています。このあたりの議論はどのような状況なのでしょうか?」 林氏は、与野党の攻防には、2段階あり、段階によって野党のプレイヤーが違うと解説します。 年内の税制改正大綱の取りまとめをするプレイヤーは、国民民主党です。 来年の予算審議になると、メインプレイヤーは立憲民主党に代わります。 一方で、攻防には2段階あり「最初は自公国の政党間協議の攻防、次は国会での与野党の攻防になる」と林氏。 毎年、12月中旬にまとめられる税制改正大綱は、所得税だけの話ではなく、様々な税目をパッケージにして翌年の通常国会に提出されるものです。 今までは、与党の自民党、公明党だけで決めても、与党が過半数を持っているため、翌年の予算審議は通りました。しかし、今回は国民民主党や野党が入ってくるため、「簡単には決着しないと思う」と林氏は推察しました。 林氏「まだ議論は日が高い(まだお日様が高い状態で、全然沈んで決着してない状態)」
103万の壁の決着はどこ?!
国民民主党は、103万円の壁を178万円に引き上げることを要望し、与党と引き上げ幅を協議しています。最終的にどのように決着するのでしょうか? 林氏が「178万円にはならないだろうと思っている人が、永田町には多い状況になっている」とコメントすると、水内氏も大きく頷きます。 続けて林氏は「この年末にまとめられる税制改正大綱では一定のところで線引きが行われるかもしれない。最終的な決着の178万に向かってのせめぎ合いは、年を越すかもしれない状況で、ちょっと見通せない」と解説しました。 水内氏は、世の中には手取りを増やしてほしいという意見にプラスして、財務省悪玉論があると語ります。「自民党としては、これまでと同じように『税収に穴が開く』というだけで押していくと、過半数ないわけですから、煮詰まる部分はある」とコメントしました。 MC伊藤「先ほど、林さんが2段階で攻防があるとおっしゃっていましたが、1番スムーズに通る条件やすんなり通るシナリオはあるのでしょうか?」 林氏は「現実的にはならないとは思うんですけど」と前置きをして、「178万円の案を丸のみした瞬間に妥結する」とコメント。 年収の壁を引き上げることは、恒久的な減税の議論ともいえます。 自民党の中にも「本当に引き上げていいの?」という意見があり、国民や地方自治体にどう説明するのかも含めて「なかなかそう簡単じゃないかな」と林氏は解説しました。 MC伊藤「この着地がどこに行くか、注目していきましょう」