阪神の初紅白戦で見えたものは?
阪神が4日、沖縄宜野座キャンプで初の紅白戦を行った。12球団で一番早い実戦だ。注目のドラフト1位の佐藤輝明(近大)は、空振りの三振を含む3打数ノーヒットに終わったが、ドラフト6位の中野拓夢(三菱自動車岡崎)が初ヒットで存在感を示し、先発した2年目の西純矢は2回を無失点、育成契約で契約した前中日の鈴木翔太も2回をパーフェクトに抑えてアピールに成功した。一方で2つのエラーが失点に絡むなどの取り組まねばならない課題も露呈した。
スーパールーキーの佐藤は3タコ
スーパールーキーの実戦デビューはホロ苦いものになった。矢野監督は、1打席でも多く経験を積ませようと佐藤を「1番・レフト」で起用。その第1打席は2017年のドラフト1位、馬場との対決となったが、初球の140キロのストレートをフルスイング。ファウルとなったが、その積極性は買いだ。追い込まれてから、真ん中にフォークが抜けてくる”ホームランボール”もあったが、これもファウル。結局、カウント1-2から外よりのストレートを引っ張って二ゴロに終わった。 打撃練習では逆方向にフェンスオーバーしていたコースだ。 小川との対戦となった3回の第2打席は一ゴロ。5回の3打席目は2018年のドラフト4位の斎藤に対して、タイミングが合わずにバットの先でファウルを打ってバットを折り、最後は、落差の大きいカーブに崩されて空振り三振に終わった。 前阪神2軍チーフコーチで評論家の高代延博氏は、「初球から振る積極性と、どのボールに対してもフルスイングを仕掛けることができるのは並のルーキーではない。できるだけ多くの経験を積ませて慣れてくれば打ちますよ」と評価した上で浮き彫りになった課題を指摘した。 「ボールをライン(線)でとらえず点で打とうとしているのでファウルの内容がバラバラだった。梅野は練習のスイングを見てインサイドが弱点と踏んだのか、ガンガンそこを攻められていた。左足に重心を残しすぎて、右足への体重移動がスムーズに行われないので、タイミングのズレを修正できない。いわゆるインパクトとの“距離“ができすぎている。カーブに対して三振したスイングもそうだ。ボールに対してラインで入ることができるようになれば、ああいうカーブで崩されても片手でスタンドインできるパワーがある」 守備機会は、近本の左中間への当たりを好捕した一度。 高代氏は、「打球に対して最短距離で追っていた。走りもよかったし外野守備に関しては経験を積めば不安はないのでは」と見る。 野手で目についたのは、「8番・ショート」で起用され、その第1打席にカウント3-0から打って出てライト前ヒットを放ったドラフト6位ルーキーの中野だ。 「社会人出身だけあって打撃フォームがしっかりと固まっているし粘れる。上本が戦力外になったが、中野が加入するのであれば、それも納得」と、高代氏も評価した。