「日本一速い男」の称号をかけて 坪井翔・牧野任祐・野尻智紀TOP3ドライバー鈴鹿最終決戦の舞台裏【スーパーフォーミュラ2024】
FNNプライムオンライン
11月9日(土)と10日(日)に鈴鹿サーキットで開催されたスーパーフォーミュラ第8戦と最終戦・第9戦。 今シーズンの集大成となる週末2レースは、シーズンチャンピオンをかけた最後の戦いとなった。 今シーズン3勝でランキングトップ(86.5ポイント)、7月には夫婦同時優勝で話題をさらった坪井翔(29)。 「しっかりここで勝ち切らないとチャンピオンはないのかなと。チャンピオンを意識しつつも、このレースにちゃんと勝てるようやっていきたいと思います」 ランキング2位(72ポイント)から逆転を狙うのは、参戦6シーズン目で涙の初優勝を飾った牧野任祐(27)。 「6シーズン目でやっと初優勝できて、自分の殻を割ることができたのかなと。もちろんチャンピオン争いをしているという意味では、自分の中でもキャリアハイのシーズンを送れているのかなと思います」 そして過去2度の王座を獲得している野尻智紀(35)がランキング3位(70ポイント)につけている。 「自分はありがたいことに(年間チャンピオンを)2回獲らせてもらっていますけど、かなり手ごわいなと思っています。逆にこの2人に勝ってタイトルを獲ることができたら、そのチャンピオンの価値はすごく高いものになると思います」 この2日間の戦いで「日本一速いドライバー」が決まる。 土曜日の第8戦。早速、波乱が起こる。 スタート順を決める朝の予選で、ランキング3位の野尻がまさかの14番手。 いきなり厳しい状況に追い込まれてしまう。 午後の決勝レースも2度のタイヤ脱輪のトラブルが起こるなど、21台中6台がリタイヤする波乱の展開に。 そんな中、野尻は14番手から猛追。ジリジリと順位を上げていく。 一方、白いマシン、牧野の後ろには緑のマシン、坪井が。 10周目、牧野が先にピットインを決断。義務のタイヤ交換を終えコースへ戻ると。 その次の周、坪井がピットへ。ここでメカニックたちが素早いピットワークを見せる。 すると坪井は牧野の前でコースに復帰。 チーム一丸となったピット戦略で逆転に成功する。 レースを制したのはこれが今シーズン初勝利の太田格之進。 坪井は2位、牧野は3位に入った。 ライバルたちを抑えて2位でフィニッシュした坪井がチャンピオン争いで大きくリードを広げる結果に。 14番手から5位まで順位を上げた野尻だったが、ここでチャンピオン争いから脱落することとなった。 そして迎えた日曜日の最終戦。 チャンピオン争いは坪井と牧野の一騎打ち。坪井が有利な状況でレースが始まった。 逆転するには最低でも優勝するしかない牧野。 わずかな逆転の可能性を信じて走る。 しかし、坪井がその走りを超えていく。 実況: さあアウトサイドから交わしてきて!守る野尻、前に出た坪井翔、これで2番手! 坪井は土曜日に続き、再び2位でフィニッシュ。 ライバルたちを抑えて自身初の栄冠。 「日本一速いドライバー」の称号を手繰り寄せた。 「ありがとうございます!日本一獲ったぞー!」 「最終戦まで牧野選手はチャンピオン争いしてくれましたし、野尻選手も常に強い走りをしてくれていて、ライバルがいたからこそ強くなれたし、その人達のおかげで僕も成長して、ここにたどり着けて、この(勝利の)価値を感じることができました」 新たなチャンピオン・坪井翔の誕生で、日本最速の戦い、スーパーフォーミュラのシーズンは幕を降ろした。 表彰式の後は、ピット前やコースを観客に開放。 ドライバー21人とファンが記念撮影を行った。 スーパーフォーミュラはシーズンを通じた公式戦観客来場者数の合計が209,600人となり、2013 年の発足以来、過去最高を記録した。 ドライバー、エンジニア、メカニック、チームスタッフによる熱いバトルを繰り広げる“HUMAN MOTORSPORTS”、スーパーフォーミュラ。 その進化は2025年も止まらず、さらに加速を続ける。 (映像提供:JRP)
すぽると!