国民・玉木氏、「年収の壁」引き上げで立民とも協議へ-党首会談で確認
(ブルームバーグ): 国民民主党の玉木雄一郎代表は5日午後、立憲民主党の野田佳彦代表と国会内で会談し、基礎控除など所得税の非課税枠拡大に向けて協議を行う方針を確認した。11日には自民党総裁の石破茂首相と党首会談を行う予定で、与野党双方に政策実現を求めていく。
玉木氏は同日午前の記者会見で、今後の各党との協議について「だれとやるのではなく、何をやるのかということに力点を置いて、手取りを増やす経済政策の実現に全力を傾けていきたい」と指摘していた。具体的には年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」引き上げによる所得減税を最優先に掲げている。
自民・公明の連立与党、野党第1党の立民がいずれも衆院で過半数に満たない中で、28議席を得た国民は「キャスチングボート」を握る。国民は「年収の壁」引き上げを政府・与党に迫る一方、政治改革などでは野党各党と連携する構えも見せており、同党の動向が今後の国会運営を左右する可能性がある。
玉木氏は、野田氏との会談後、「政治とカネ」の問題への対応や、連合から両党に求められている基本政策の一致に向け、取り組む方針を確認したと記者団に語った。野田氏からは「年収の壁」の引き上げに協力する意向が伝えられ、具体的な方法について政策担当者の間で協議していくことを明らかにした。
これに対し、野田氏も非課税枠の拡大について「協力、後押しをしていく」とした上で、財源についてはどこまで「壁」を引き上げるかを含めて判断したい、と記者団に語った。
国民は5日、日本維新の会と幹事長・国対委員長会談を行い、国会改革で連携していくことを確認した。国民の榛葉賀津也幹事長が会談後、記者団に説明した。
維新の藤田文武幹事長は同会談では、「年収の壁」引き上げによる所得減税についても意見交換したことを記者団に明らかにした。藤田氏は「国民民主には制度設計や財源の解を、これから示す責任が生じてくると思う。政策論はしっかりやりたい」と語った。