ダカールラリー2024目前! HySE X-1に搭載の水素エンジンとスーパーチャージャーの相性が抜群な理由とは
スズキの水素バーグマンはカワサキと正反対のアプローチ
水素エンジンに関してはスズキもバーグマシンの試験車両を公開している。バ―グマン400に70MPaの水素タンクと水素エンジンを搭載しており、実際に走行している。こちらの狙いはカワサキのスーパーチャージャーエンジンと似ているがアプローチが全く異なる。 「水素は薄くても燃えるのでガソリンでは燃えない薄い領域で回しています。濃いと窒素酸化物(NOx)が発生しますが、これが出ない領域で運転しています。燃えたら水だけが出る状態でマフラーに触媒もついていません」とスズキの開発者は語る。 こちらは自然吸気で燃料もポート噴射と元のガソリンエンジンをなるべくそのままに水素に置き換えている。そのためパワーを上げることが難しく、ガソリンエンジンの半分ほどの出力だという。バーグマン400は29PSなので15PSほどだが、走行には耐えられるという。 薄く燃やして無公害にするという点ではカワサキとスズキの狙いは一致するが両極に振ったアプローチと言える。もちろん、現在のバイクと同じようにマフラーに触媒を装着して排ガスを浄化するのも選択肢だろう。各車の取り組みで最適解が導き出されることを期待したい。
市本行平